保護者必見!書道教室の先生が実践している集中力アップ術|こども教育総合研究所
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保護者必見!書道教室の先生が実践している集中力アップ術

2020/08/07

旅行や帰省など、遠方への外出がしにくい生活が続いていますね。おうちにいる時間が増え、保護者の皆さまからは「子どもの集中力が持たない」、「勉強に集中できない」といったお悩みをよくお聞きします。おうち時間が多い今年の夏休みこそ、新しい習慣をとりいれ、集中力アップにつなげていけるチャンスかもしれません。

今回は、書道教室で実践している集中力アップ術のご紹介と、それを活用した思い出に残る作品づくりの方法を「楽書®」を通してご紹介いただきました。

自由な発想でリラックスしながら作れるので、この夏の自由研究にもおすすめです。

個性を楽しむ書道「楽書®」についての記事はこちら


そもそも集中するって、どういうことでしょうか。自分の興味があることや知りたいこと、好きなことに取り組んでいる時は時が経つのを忘れて「あれ?もうこんな時間?」なんてこと、ありますよね。
こんな風に好きなことには集中できるけれど、あまり得意ではないことや嫌いなことを行う際に集中することは、大人でもなかなか難しいものです。では、そんなときはどうしたら良いのでしょう 。

書道団体「無限未来」では、表現活動としての書道だけでなく、メンバーそれぞれが書道教室を開き、「書家・楽書®アーティスト」、「人材育成」、「教室運営」の3つの柱を中心とした理念に基づき活動しています。生徒さまは1番小さな子で5歳 から。そうです、5歳のお子さまを書に集中させるためには、やっぱりコツがあります。
ここでは、私たちが文字を書くために大切にしている心と体の準備体操をお教えします!

<準備と実践の流れ>

  1. 体操をする
  2. 腹式呼吸をする
  3. 図形を書く
  4. エア書道をする
  5. お手本無しに書く
  6. お手本を見て書く

このような流れで集中力を高めて、実際に文字を書いていきます。
それでは順番に見ていきましょう。

1.体操をする

書道に入る前に、それまでしていたことを一度リセットします。そのために体を動かし、心の切り替えをします。
書を書くには、心身を整え、落ち着いた状態で行うことが必要です。大声を出して騒いでいる子に「静かにしなさい」と言っても、なかなか静かにはなってくれません。
そんな時は、その衝動を一度外に出してあげると収まりやすくなります。でも、そのたびに「大声を出していいよ」とはなかなか言えませんよね。ですので、体を動かすことで体や心にたまったものを発散させてしまいます。

私たちの教室では、「FAN体操」と言う体操をやることでその発散と切り替えを行っています。FAN体操とは、木や月など自然の特徴を身体で表現する体操です。

<FAN体操のやり方> 
① 金 手から金の粉を撒くように両手をいろんな方向にぶらぶらさせます。
② 地球 頭を地球に見立て、てっぺんが上にぴっぱられる感じでゆっくり回していきます。
③ 日 両手を合掌し上に伸びます。その手を左右に開き胸を開きます。
④ 月 両手を合掌し上に伸びます。左手で右手首をつかみ三日月のように左上に伸びます。
⑤ 木 片足で立ち、反対の足の裏を立っている足の内側に付けます。
⑥ 火 両足を大きく開き四股の形に腰を落とします。
⑦ 水 水の中で海藻が揺れているように、上下左右に力を抜いてゆらゆら揺れてみましょう
⑧ 土 両手を合掌し上に伸びます。円を描くように左右に下ろしながらしゃがんで小さくなります。

火のポーズ。身体を文字に見立てて動かします。

2.腹式呼吸をする

体操で体を動かして発散した後、今度は「動から静」へ、目を閉じてゆっくりとした腹式呼吸を行うことで心を落ち着け、外に向いていた意識を自分自身に向けます。
おなかに息をためるように鼻から吸って、口から静かに長く吐きます。吐くときはろうそくの火を静かに消すようなイメージで行うと上手く行きます。これを3回ほど繰り返しましょう。

さあ、これで、体と心の準備が出来ました。

3. 図形を書く

では、ここから実践に入って行きます。
筆の感覚を思い出すために、図形を書きます。文字ではなく図形を書くことで、失敗を恐れず、書道が苦手な子も安心して書くことができます。

ここで大事なことは、丁寧にゆっくりと筆を動かすことです。

動作がゆったりとしていると、心が落ち着いてきて線を書くことに集中出来ます。

4. エア書道をする

手を筆に見立てて、空中で文字を書きます。立ち上って、手や腕だけでなく体全体を使って書いてもいいでしょう。書き順や文字の間違いを確認し、文字の形全体がイメージ出来るようになります。
それを行っておくと実際に筆で書く時にスムーズに書けるようになります。

5. お手本無しに書く

お手本が無いことで、見本に捕らわれることなく、個性を生かして自由に伸び伸び書けます。また、自分が普段どのように書いているのか、見つめ直す機会にもなります。

6. お手本を見て書く

今度は、お手本と自分の字を見比べて、どこが違うか考えます。この時、教室では「どこが違うと思う?」などと、こちらから質問形式で聞くようにしています。
そうすることで自然と文字をよく見るようになり、自分で答えを見つけ、発言出来るようになります。

自分で相違点を見つけ、指摘出来たところは、ほとんどの子が次回ちゃんと直してくるようになります。逆に先生から一方的に直された場合は、意外となかなか直らず、そのまま持ってくる子が多いのです。
自分で発見したことに、マルをもらえたら、とっても嬉しいはずです。その気持ちが次の書きたい気持ちの原動力となります。

 

ここでは書道を始める時の準備をご紹介しましたが、ご自宅の勉強でも①、②をやった後にノートを開いて、まずは「ゆっくり今日の日付を書く」、「今日やることを決める」など、勉強への導入を試してみてはいかがでしょうか。子どもだけでなく、大人も一緒に試してみるといいかもしれませんね。

いよいよ実践編!作品づくりをしてみよう

ここからは、実際に試せる作品づくりを紹介します。思い出としても残るので、夏休みの自由研究にもぴったりですよ。
ぜひ親子で、Tシャツやエコバックに好きな文字を書いてみましょう!

~用意するもの~
・アクリル絵の具、色違いを3色位
・筆
・新聞紙
・綿のTシャツ、綿のエコバックなど

~手を汚さない工夫~
スモックやエプロン、なければ レジ袋やゴミ袋に 頭や腕が入る部分を切り抜いて着たり、おうちの方のお古のTシャツなどを着るのもおすすめです。
お手拭きや雑巾を用意しておくと便利です。

1. 書く文字を選ぼう

虫・鳥・魚・犬・猫・虎・龍…など、好きな文字を一文字選んでみてください。
あまり意味にこだわらず、形の面白さで選んでみても楽しいですよ。

2. デザインを決めよう

鉛筆で書いてみて、文字の形が分かったら、コピー用紙や広告の裏などを使って、どんなデザインにするか考えてみましょう。色鉛筆やクレヨンで、色を変えながらデザインしてみるとさまざまな表現が生まれてきます。
大きく書いても、小さく書いても構いません。真ん中に書かなくても、はみ出してもOKです。大人は静かに見守ってあげましょう。

3. Tシャツやエコバックに書こう

デザインが決まったら、いよいよ本番。Tシャツやエコバックに書いてみましょう。どの部分にこう書いて…とはあまり決め込まず、練習通りの勢いで書いた方が、「失敗していやな気分」になりにくいです。決め込んでいないということは正解がない、ということです。
書きあがったら、色、まっすぐさや曲がり方、太さ細さなど「素敵だな」と思った部分をほめてあげてください。

自分で書くと愛着が湧き、長く大切に使ってくれる子が多いですよ。
夏休みの自由研究にもぴったりなので、ぜひご家庭でも試してみてくださいね!

 

このように、子どもにとって毎日過ごす環境はとても大切。普段何気なく聞いている言葉や生活のリズムは、無意識のうちにその人の考え方や行動に結びついていきます。集中力を養うためには、日々の生活の習慣化されていることに大きなヒントがありますので、楽しみながら実践してみてくださいね。

今回ご紹介した体操や深呼吸も、勉強前に繰り返すことで、次第に習慣化していくことでスイッチが自然と切り替わるようになります。

このほかにも、皆さまにおすすめしたいちょっとした会話のポイントがあるのでご紹介します。

物事を考える習慣をつける「イメージ」の大切さ

親子または生徒と先生で話すときの、日々のやりとりのなかにも、お子さまが考える習慣をつけることが大切です。以下のようなポイントを意識してみてください。

...「どうしたらいいと思う?」と質問し、子どもの考えを言葉に出して言わせる。
...「そうだね、よくわかっているね。」とまず同意し、認める。

ここで大切なのは、大人は我慢が必要ということ!子どもが自分で考えを口に出すのは時間がかかります。先取りして答えを言うのではなく、じっと待ってみましょう。

...「じゃあ、やってみようか!」と促す。

注意したいのは、集中しているときは声掛けしない、ということです。終わったら「全部出来たね!すごいね!」と褒めてあげてください。
今日出来たことを褒められ、認めてもらえたら、嬉しいですよね。これを繰り返し行うことで、幸せな状態を体が覚え、やりたくなるのです。この習慣は体へのアプローチでもあります。

3~9歳は、感覚的に学び取る時期です。例えばアート的なこと、書、絵、音楽、また他言語の習得にも適している時期でもありますが、その時に行う親子間のやり取りなどからも、自分が大切に扱われ、認めてもらっている事を学ぶことも出来ます。その経験をもとに10歳以降、今度は頭で理論的に考え、行動していきますから、この時期の親子間の信頼関係を築くことはとても大切な時期といえると思います。

 

いかがでしたでしょうか。集中力は日々の生活の中で、体と心にアプローチし、習慣化すること、そして大人の対応次第でしっかり身についていきます。子供だけに結果を望むのではなく、大人も一緒に考え対応していくなかで、より集中しやすい環境が生まれるのではないでしょうか。


本記事の筆者:熊谷雲炎、島田蒼月、西川梨世

書道団体 無限未来
https://mugenmirai.info/

新しい考え方の書道団体「無限未来」では、「楽書®」をたくさんの方にお伝えする為、
「書家・楽書®アーティスト」、「人材育成」、「教室運営」の3つの柱を中心とした理念に基づき活動しています。

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