子どものメタ認知能力を育もう!家庭で実践できる方法も紹介|こども教育総合研究所
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子どものメタ認知能力を育もう!家庭で実践できる方法も紹介

2023/03/30

近年、「メタ認知」が教育や人材育成の場面を中心に注目を集めていますが、どのような能力かご存じでしょうか?

メタ認知は、インターネットやAI技術の向上といった時代の変化に伴い、人々の価値観や働き方が多様化する中で、大人に限らず子どもたちも身につけておきた能力として重要視されています。

今回は、改めてメタ認知への理解を深めつつ、子どもの頃からメタ認知能力を育むメリットや、実際にメタ認知を養うための方法を紹介します。

子どもの頃から育みたい重要な力、メタ認知とは?

メタ認知とは、物事を主観で捉えず、より高い視点から客観的に捉える能力で、1976年にアメリカの心理学者ジョン・H・フランベルが提唱した「メタ記憶」という概念が元となっています。耳馴染みのない言葉のため難しく捉えられがちですが、メタ認知は日常生活や学習・仕事などの場面で自然に活用されている能力です。例えば「もっと効率よく料理できるように順番を考えてみよう」や「仕事に遅刻しないために時間に余裕を持って起きよう」などの考え方や行動はメタ認知によるものです。

メタ認知力が高いと、物事を多角的に捉え柔軟な考え方ができるため、自分や周囲の問題点に気づきやすく、改善に向けた課題立てや行動をコントロールしやすいと言われています。

教育分野でメタ認知が注目されるようになった背景として、2020年度に改訂された小学校学習指導要領にメタ認知が取り上げられたことが挙げられます。

学習指導要領では、多様化する社会に適応していくために、子どもの頃から育みたい重要な力として、「知識力・技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの能力をバランスよく育成することが示されており、メタ認知は3つ目の「学びに向かう力、人間性等」において、「自分の感情や行動を統制したり、自分の思考や行動を客観的に把握し認識したりすること」という内容で示されています。

メタ認知は義務教育課程でも重要視されており、これからの社会を生きていく子どもたちが備えておきたい重要な力であることは明白です。

 

参考:文部科学省,学習指導要領「生きる力」「4.教育課程の実施と学習評価」

子どもにメタ認知が備わると、自律性が育まれる!

子どもにメタ認知が備わると、周囲の大人が働きかけなくても自分で考え行動に移せるようになり、早期から自律性が育まれます。自分本位でなく、その時の状況や相手の気持ちを察しながら、冷静に考えたり行動できたりするため、勉強や人間関係を円滑に進めやすくなる点も、早いうちからメタ認知をトレーニングするメリットです。

【勉強の場合】先を見据えた目標設定ができて、スムーズに勉強を進められる

授業で漢字テストがある場合「面倒だから何もしない」「とりあえずテスト範囲のページを見返す」のではなく「間違えやすい漢字を重点的に練習しよう」といった目標が立てられます。自分を客観的に捉え、何をすれば良いのか、具体的な課題を見つけて進められるため、勉強の質もよくなり、成績向上にもつながります。

【人間関係の場合】苦手な子との関わり方を模索して、誰とでも仲良くできる

苦手と感じる子がいたとしても「この子苦手だから…」と距離を置かず、なぜ嫌なのか客観的に考えられます。そのうえで「時間を守ってくれないからペースを乱されて嫌だな」「まずは本人にも伝えてみようかな」と、相手と自分の関係を良くするためによりよい方法を考え行動できます。

 

メタ認知を習得する過程では、「情報収集力」や「計画力」など、将来役立つさまざまな非認知能力の成長にも作用しています。

  • 情報収集力:客観的に状況を把握できる
  • 情報整理力:状況を適切に整理できる
  • 問題発見力:現状を踏まえ問題点を見つけることができる
  • 想像力:先のことを想像できる
  • 計画力・行動力:目標達成のために適切に計画・行動できる

メタ認知を育むことは、非認知能力の向上にもつながるため、社会で生きていくうえで必要な能力の複合的な習得が期待できるのです。

自分の状況を考えるきっかけ作りが、子どものメタ認知育成の第一歩

メタ認知力は、一般的に10歳頃からの伸びが著しいとされています。子どものメタ認知が急速に伸びる時期に、保護者や周囲の大人はどうサポートするのが望ましいのでしょうか。

メタ認知を育む方法

子どものメタ認知を育むには、まず子ども自身が自分の状況を知り、考えられるきっかけを作ることが重要です。はじめは、子どもが自発的に自分の状況を把握することは難しいため、保護者や周囲の大人が考えるプロセスをサポートしましょう。子どもが体験したことについて、過去を振り返りながら、未来も想像し考えていけるように声を掛けるのがおすすめです。

声掛けの例学校での友達とのケンカ

  1. 過去を振り返る

「今日は学校楽しかった?」「友達のどんなところが嫌だった?」「どうしてケンカになったと思う?」

  1. 未来を想像し考える

「どうすれば仲直りできると思う?」「次会ったときはどう接すればいい?」

大人は子どもの気持ちをうまく整理し、次はどうすべきなのか、自分で方法を模索するきっかけを作れるよう導いていくことが重要です。このとき、保護者や周囲の大人は「子どもの話を最後まで聴く」「子どもの考えを受け入れる」の2点に注意しましょう。

子どもの話を最後まで聴く

子どもは、保護者や大人の問いかけに対して、伝えたい内容を整理し言葉にするのが難しいケースも多くあります。しかし、自分で情報を整理し、考える過程においてもメタ認知は育まれていきます。

子どもが自分の考えをうまく言葉にできなかったとしても、まずは最後まで話を聴くようにしましょう。大人は、つい今までの経験や子どもの反応から答えを察してしまいがちですが、途中で口を挟みすぎないよう注意が必要です。

子どもの考えを受け入れる

「あのとき、○○と思ったからこうした」など、自分で感じ取り、理由があって行動したことについては、子どもの考えを受け入れることが重要です。

注意すべき点があったとしても、否定する前に子どもの考えを受け入れる姿勢を見せてから、大人の意見を伝えましょう。大人が理解を示すことで、子どもは自分が感じたことや考えたこと、行動に自信を持てるため、反省すべき点も素直に受け入れられ、次からの行動に活かせるのです。

子どものメタ認知を育むために必要な「考える環境」が備わっている習い事をご紹介!

習い事には「体験する」「過去を振り返る」「未来を考える」といった、メタ認知を育むために必要な体験が一気通貫で繰り返し行えるメリットがあります。メタ認知は、小学校高学年から大きな発達が見られるため、この時期に習い事を通じて発達を促すのも良いでしょう。

メタ認知を育むためにおすすめなのがヒューマンアカデミージュニアの「ロボット教室ロボティクスプロフェッサーコース」です。「体験する、過去を振り返る、未来を考える」といった一連の流れを高度なレベルで繰り返し行い、効果的にメタ認知を育むことができます。入会推奨学年は、小学校6年生から中学生、もしくは、ヒューマンアカデミージュニアロボット教室「アドバンスコース修了生」となります。

  • 体験する
    工具を使いながら細かいパーツやネジを組み立て、ロボットを作る・ロボットを動かすためのプログラムを考える
  • 体験したことを振り返る
    うまくできた・工夫した部分を確認し、改善ポイントを探す
  • 次のアクションを考える
    「もっと速く動かすには?」「もっとスムーズに動かすには?」など、次の目標を具体的に考える

ロボティクスプロフェッサーコースでは、ロボット教室のベーシックコースやアドバンスコースで段階的に学習した内容を基に、本格的なロボット製作を行いながら、ロボット技術や数学・物理センスの習得、プログラミングを通じた問題解決力の醸成を行います。ロボット製作を試行錯誤しながら行うことで、メタ認知能力の習得にもつながる多角的な視点での仮説力や思考力を養います。

さらに、ロボット教室では、先生が受講生の意見や相談に耳を傾け、子どもが考えた過程を重視しながら、必要に応じてサポートを行います。子どもの好奇心を引き出しつつ、自分で考え創意工夫することは、メタ認知をはじめさまざまな能力の育成にも貢献しています。

メタ認知は、トレーニングをするとすぐに効果が表れるものではなく、日々の積み重ねが大切です。メタ認知をはじめとするさまざまな能力をトレーニングできる習い事の一つとして、ヒューマンアカデミーのロボティクスプロフェッサーコースにご興味のある方は、まずはこちらから体験授業にお越しください。

数学や物理のセンスが身につく!ロボット博士養成講座

小学校高学年から始めるヒューマンアカデミーのロボティクスプロフェッサーコース。
「もっと本格的なロボットをつくりたい」「さらに難しい領域に挑戦したい」という子供たちの熱意に応え、専門的な学びを提供しています。

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