料理をしながら科学を学ぼう!家庭でできるSTEAM教育|こども教育総合研究所
ヒューマンアカデミー こども教育総合研究所

料理をしながら科学を学ぼう!家庭でできるSTEAM教育

2020/12/18

12月はクリスマスや年末年始で、いつもと違う特別な料理が食卓を彩りますね。家族でお菓子作りやお正月料理などを準備する機会も多いのではないでしょうか?

お子さまと一緒に料理をするチャンスが増えるこの時期、皆さんに挑戦してほしい家庭学習のひとつとして「料理をしながら科学を学ぶ」方法をご紹介します。

 

家庭でできるSTEAM教育【掃除編】はこちら

子どもとの料理で育つ3つの力

大人にとって「料理」は、日々の家事のひとつですが、子どもにとっては絶好の学習機会と言えます。では、子どもは「料理」を通してどのようなことを学習し、どのような力を身につけることができるのでしょうか?

  • 観察力

観察力とは、ご存じの通り物事の変化を注意深く見る力のことです。

料理は、レシピに「玉ねぎがきつね色になったら」という表現があるように、調理中の見た目の変化や過程を意識する必要があるので、子どもの観察力をトレーニングするにはピッタリです。観察力が磨かれると、観察を通して得た情報を元に自分で考えることができるようになるため、子どもの思考力を伸ばすためにも欠かせない能力のひとつです。

  • 段取り力や計画力

段取り力・計画力とは、あらかじめ物事の全体を把握して見通しを立て、細かな作業の順番や方法を決めていく力のことです。

幼稚園や学校は時間割があるので、自分で「いつ、何を、どこで、どうやってするのか」の計画を意識する機会は多くありません。一方で料理をする場合は、「食材を切る」「時間を置く」「5分茹でる」のように異なる作業を同時並行で進める場面が良く出てきます。子ども自身が料理するときの順番や手順を考えて決めることは少ないかもしれませんが、おうちのかたのお手伝いをしながら作業の優先度や流れを意識する経験ができます。そのため、子どもは優先度や料理の流れを意識しながら計画を立てる練習ができます。

子どもが料理に慣れてくると、作業の順番だけでなく、段取りも含めて自分で計画できるようになるので、子どもの計画力をトレーニングする方法のひとつとして料理は効果が期待できます。これらは、日常で使っている「プログラミング的思考」の一例としてもよく出てきます。

  • 五感の発達

幼稚園から小学生の子どもは、心身ともに大きく成長する時期です。さまざまな体験を通して、子どもがたくさんの感覚を磨くことが成長の後押しになります。

料理をすることで、食材や調味料の匂い、調理の音、盛り付けの彩りやバランスなど五感のすべてを活用しながら子どもの感性を高めることができます。また、食べ物の好き嫌いがある子どもでも、自分で料理をすることで苦手意識のハードルが下がりやすくなるので、嫌いな食べ物にもチャレンジしてくれるかもしれません。

お正月料理「おせち」には科学のポイントがたくさん!

お正月の定番料理のひとつである「おせち」は、料理が日持ちしやすいように、科学的な根拠に基づくたくさんの工夫がされていることをご存知でしょうか?

日本では古来より、お正月は神様を家に迎える大事な行事とされており、台所にも神様を迎えるために「正月三が日は火を使わない」という習慣がありました。そうした背景のなかで、冷蔵庫や冷凍庫などの食品を保存する技術がなかった時代に、台所を使わず、そして保存もできるようにと作られたのがおせち料理です。

このおせち料理に隠れている「科学の不思議」を、お子さまと一緒に考えてみてはいかがでしょうか?たとえば下のようなポイントが挙げられます。

  • 酢のもの:紅白なます

例えば紅白なますは、水分の多い野菜を酢のものにすることで、食材を傷みににくくする狙いがあります。お酢には抗菌作用や防腐作用があり、菌の繁殖を防ぐはたらきがあるため、なますの材料である大根やニンジンの保存性を高めることができます。

  • 煮物:黒豆

おせち料理定番の黒豆は、豆を煮るときに「鉄くぎ」と一緒に煮ると発色が良くなる、と言われています。黒豆は加熱すると酸化反応を起こし、本来であれば黒色が退色してしまいますが、鉄くぎを入れることで、黒豆と鉄くぎに含まれる成分が化学反応を起こし、鮮やかな黒色を保つことができるのです。また、鉄くぎと黒豆を一緒に煮ることで、鉄くぎから鉄分が流れ出るので、鉄分補給にも一役買っています。

料理とはかけ離れた鉄くぎが大活躍する様子は、子どもが科学の不思議に興味を持つ絶好のきっかけになりそうですね。

 

身近な食材で科学の不思議にふれてみよう!

私たちが普段何気なく食べている「食材」にも、科学が隠れています。お子さまと一緒に料理を作りながら、子どもが気づきにくい「科学の不思議」を話してみてはいかがでしょうか?

ゆで卵を作る時、ゆで時間を伸ばしたり縮めたりすることで黄身の固さが変わり、固ゆでや半熟ゆで卵が作れますが、白身が半熟で黄身が固まっている「温泉卵」の作り方はご存知でしょうか?

実は温泉卵は、卵の白身と黄身で、固まり始める温度が違うことを利用した料理なのです。白身と黄身は同じたんぱく質ですが、黄身の方が白身よりも低い温度で完全に固まります。この性質を利用して、黄身が固まるけれど白身が完全に固まらない温度のまま卵を加熱すると、白身はとろとろで黄身が半熟のゆで卵を作ることができます。

  • 寒天とゼラチン

ゼリーは自宅で簡単に作れる定番デザートですが、「なぜかゼリーが上手く固まらなかった」という経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はひとくちにゼリーと言っても、寒天やゼラチンなどの使う材料で、ゼリーが固まる温度や食材との相性の善し悪しに違いがあるのです。

例えば寒天は、「テングサ」や「オゴノリ」といった海藻から作られています。寒天は常温で固まるので、冷蔵庫に入れなくてもゼリーを作ることができます。一方、ゼラチンの原材料は動物由来で牛や豚の皮や骨から作られているため、寒天のように常温では固まらず、冷蔵庫で10℃以下に冷やす必要があります

また、ゼラチンは動物由来のため主な成分はタンパク質です。タンパク質を分解できる酵素を含んでいる生のフルーツと一緒に混ぜると、ゼリーが固まらなくなってしまうという性質があります。子どもの好きなフルーツを使ってゼリーを作りながら、寒天とゼラチンの性質をもとに科学について楽しく学んでみるのもおすすめですよ。


日常生活の身近なところに、「なぜ?」や「面白い!」など子どもの興味を引き出す科学はたくさんあります。家で過ごす時間が多い今こそ、親子で楽しく「サイエンスクッキング」にチャレンジしてみてください!

理科好きの子どもたちを育てるSTEM教育プログラム|サイエンスゲーツ

サイエンスゲーツは、年長から小学校低学年向けの科学の習い事教室です。
子どもたちが科学を好きになることを目標としており、幼少期のうちに科学のさまざまな体験をすることで子どもたちの知的好奇心を引き出します。

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