プログラミング的思考とは?【例あり】論理的思考との違いや、 身につけるための方法を紹介
2021/09/01
小学校の授業にプログラミング教育が取り入れられたことで、「プログラミング的思考」が注目されていますが、一体どんな能力なのでしょうか?今回は、プログラミング的思考と他の力との違いや、自宅でできるプログラミング的思考のトレーニングを紹介します。
プログラミング的思考とは?
プログラミング的思考とは、物事を考える時にその物事の動作や順序を理解し、効率的に意図した動作や結果を導くために論理的に考える力のことです。プログラミング的思考を身につけることで、物事の「目的(意図)」を的確にとらえ、合理的に考えることができるようになると言われています。
プログラミング的思考とは具体的にどんな考え方をするのでしょうか?身近な例として「洗濯」を例にプログラミング的思考の考え方を紹介します。
「洗濯」の手順は…
- 洗濯物を洗濯機に入れる
- 洗濯機に洗剤を入れ、スイッチを押す
- 洗濯物を干す
- 洗濯物を取り入れて畳む
洗濯の手順を大まかに分けると、4つに分かれます。では、プログラミング的思考で考えるとどうなるでしょうか?
洗濯の目的は、「汚れた服を洗濯機で洗う」
洗濯の手順は、
- 汚れた洗濯物を集める
- 洗濯機のフタをあける
- 洗濯物を洗濯機に入れる
- 洗濯機のスイッチを入れて、洗濯コースを選択する
- 洗濯機の水量に合わせて洗剤を●g、柔軟剤を▲g入れる
- 洗濯機のスタートボタンを押す
- 洗濯機から洗濯物を取り出す
- 洗濯物をハンガーにかける
- ハンガーにかけた洗濯物を物干し竿に掛ける
- 洗濯物が乾いたら取り込む
- 洗濯物を同じ衣類は同じ形に揃えて畳む
普段何気なく行っている「洗濯」をプログラミング的思考で考えてみると、一例としてこのように細かく手順が分けられます。手順や内容を間違えると上手く洗濯できないこともあります。もしかするとステップを省略したり、一緒に行ったりすることでこの手順をさらに効率的にできるかもしれません。このように、ある目的を達成するために物事を分けて、より効率的にゴールまで導くための考え方がプログラミング的思考です。
プログラミング的思考について聞く中で、「論理的思考」との違いが気になるかたや、「プログラミング」との関係が気になるかたもいるかもしれません。違いを見てみましょう。
- 論理的思考力との違い
論理的思考は、物事を筋道立てて考え判断をする思考のことです。そのため、プログラミング的思考は論理的思考の一つと言えます。しかし、プログラミング的思考は、論理的思考で順序立てて考えるだけでなく、その順序やプロセスが「効率的がどうか」も考慮して答えを導き出す必要があります。
- プログラミングとの違い
プログラミング的思考は「プログラミング」とは異なります。プログラミングは、あくまでコンピュータに指令を与えるときに使う方法の一つで、考え方ではありません。プログラミングでコンピュータが指令通りに作動するよう、指令を分解して順序立て、効率的に伝える、つまりプログラミング的思考を用いて指令を考える必要があります。
プログラミング的思考は、論理的思考の一つで、プログラミング的思考を用いてコンピュータに命令を出すのが、プログラミングです。それぞれとの違いを正しく理解しておきましょう。
プログラミング的思考が今、必要な理由
プログラミング的思考を養うことを目的の一つとしたプログラミング教育が義務教育に取り入れられ、プログラミング的思考を重視する傾向が高まっています。なぜ、今の子どもたちはプログラミング的思考を身につけておいた方が良いのでしょうか?
理由の一つは、これからの時代を生き抜くために情報リテラシーが求められていることです。1人1台のスマホが当たり前になり、SNSやインターネットで膨大な情報を集めることができる現代は、ひとりひとりが得た情報が正しく適切か見極める力が必要になります。情報の取捨選択をする判断力は、直感や感情を頼りにせず、「論理的に考えて答えを導く力」つまりプログラミング的思考を身につけることで磨かれるのです。
テクノロジーの発達で、多くの仕事をコンピュータが代替できる今、人間にしかできない力を身につける必要があることも、プログラミング的思考に注目が集まる理由の一つです。AIやコンピュータにない力は創造力や論理的思考力が挙げられますが、プログラミング的思考もその一つです。
時代の変化に追いつき、そして未来を切り拓いていくためにも、今の子どもたちには、プログラミング的思考を身につけておくことが良いとされています。
プログラミング的思考の身につけ方
プログラミング的思考ですが、考え方の基礎ともいえる力なので、一朝一夕で身につけられるものではありません。毎日の生活の中に少しずつプログラミング的思考を取り入れてトレーニングしながら考え方に慣れてみましょう。
- 動画で考えてみる
教育系のテレビ番組や無料動画サイトの中には、身の回りの現象や仕組みで使われているプログラミング的思考を分かりやすく解説しているものがあります。まだ、物事を一人で考えるのが難しいお子さまや、プログラミング的思考の考え方が定着していないお子さまにオススメです。
- ゲームやおもちゃで遊びながら考える
カードゲームやボードゲームは達成すべきゴールが明確で、予め決められたルールの中で他のプレーヤーとの駆け引きや試行錯誤をしながらクリアを目指すので、プログラミング的思考を楽しく学ぶことができます。
また、ブロック遊びやパズルなどのおもちゃも、遊びを通して効率的にトレーニングすることができると言われています。
- お手伝いをしながら考える
実は、料理や洗濯、掃除といった家事も、プログラミング的思考を使うにはピッタリの題材になります。「カレーライスを作る」や「洗濯機を回す」のように一見簡単に見える作業も、いざお子さまがするとなると、細かな工程をどの順番にするか、考える必要があるからです。
お子さまに家事のお手伝いをしてもらいながらプログラミング的思考を身につける時は、方法や手順を全て教えず、お子さま自身に考えてもらうようにすると、より効果的になるかもしれません。
- ロボットプログラミングをする
ロボットプログラミングと聞くと、複雑なモーターや機械を理解して、ロボットを操作する難解な印象をもつ親御さんが多いかもしれませんが、幼児から小学生向けのロボットプログラミングは、ロボット遊びの延長感覚で、楽しみながらプログラミング的思考を身につけることができます。
お子さま自身が試行錯誤を繰り返しながらロボットを作り上げていくので、自信にも繋がります。
ロボットプログラミングは専用キットを購入して自宅で取り組むのも良いですが、オススメの勉強方法は、ロボット教室に通うことです。ロボット教室に通うことで、プログラミング的思考を集中的にトレーニングできることはもちろん、分からないことは先生にすぐ質問できるので、安心できます。
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プログラミング的思考は考え方の基礎ともいえる大事な思考力の一つです。テクノロジーがさらに発達して、高度な思考力が求められる将来、お子さまが活躍できるようになるために、いまから、プログラミング的思考を身につけていってみてはいかがでしょうか?