鳥井雪氏インタビュー【コンピュータやプログラミングってなんだろう?】|こども教育総合研究所
ヒューマンアカデミー こども教育総合研究所

鳥井雪氏インタビュー【コンピュータやプログラミングってなんだろう?】

2019/10/08

『ヒューマンアカデミー こどもプログラミング教室』の教材監修をしていただいている鳥井雪氏に、
コンピュータやプログラミングってなんだろう?プログラミングができると、なにがうれしいのか?
についてお聞きしました。


まずは鳥井氏のご紹介から

鳥井雪氏 プロフィール
Railsプログラマーとして活躍し、女性にプログラミグの技術を解放する世界的ムーブメント「RailsGirls」の、日本普及にも尽力する。その功績を認められ、2013年楽天テクノロジーアワード ルビー賞受賞。
RailsGilrsの創始者の一人である、リンダ・リウカス著のプログラミグ教育絵本『ルビィのぼうけん』を翻訳、1カ月経たず3刷2万部のヒットとなり、プログラミング教育必修化にむけての一助となる。
翻訳に『ルビィのぼうけん こんにちはプログラミング』『ルビィのぼうけん コンピューターの国のルビィ』『プログラミングElixir (笹田耕一と共訳)』


コンピュータって何だろう? 何をしているんだろう?

こども総研研究員(以下、研):
鳥井先生、プログラミング教育が重要と言われていますが、まだあまり必要性を感じないご家庭が多いと思います。
コンピュータやプログラミングは、それを職業としている人以外には、それほど深く関係していると思えないのですが…

鳥井先生(以下、先生):
実は、そんな事ないんです。
たとえばこんな1日をイメージしてみてください。
朝、駅に行って、券売機でICカードにチャージし、ICカードを当てて改札機を通ります。スマートフォンで初めての訪問先への行き方を検索し、ついでに近くのランチを探します。ランチに行ったお店で、うっかりお財布にお金を入れ忘れていたことに気づき、クレジットカードで切り抜けました。家に帰れば、エアコンがちょうどいい冷たさの風を送ってくれてほっと一息、冷蔵庫から出した食べ物を、電子レンジがいい感じに温めてる…。

研:はい、私もよくする行動パターンです。すごくイメージできます。

先生:実は、この特別変わったことのない1日に出てくる機械のすべてに、コンピュータが使われています。

研:…たしかにそうですね!すべてコンピュータで動いていますね。

先生:1日に関わるコンピュータの数は、100を超えることもあると思います。 私たちの世界はもう、コンピュータなしでは回らないようになっているのです!

研:!!!

先生:すごいって思いますか?それとも、ちょっと怖いなって思いますか?

研:そう考えると、ちょっと怖いですね…機械帝国というか…。

先生:私もそう思っていたのですが、プログラミングを仕事にするようになって、それほど怖くなくなりました。コンピュータを動かしているのが、血の通った人間だってことが実感できたからです。

研:うーん、その視点で考えたことがありませんでした。もう少し詳しく教えて下さい!

 


コンピュータを動かすのは、人間

先生:
コンピュータ(計算機)は、何か目的のために、たくさんの量の計算を組み合わせ、結果を出すものです。コンピュータは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで動きます。ハードウェアは「もの」そのもののことです。ICチップや、センサーや、スマートフォンの割れやすい画面とすべすべしたボディそのものです。でも、ものだけ、ハードウェアだけがあっても、コンピュータとしての働きはできません。ハードウェアの中に、ソフトウェア、つまりアプリやプログラムがあって、「どんなときに、どんな動作をしてほしいか」を指示することで、初めて目的を与えられ、それを達成することができます。そのプログラムを書くのが、プログラミングなのです。

研:なるほど。外側と内側の話ですね。まだあまり人間味は感じませんが…。

先生:
さらに説明しますね。
コンピュータは、自分で何かをしたいと思うことはありません。
コンピュータに目的を設定して、どのように動いてほしいかを考えるのは人間の仕事です。そうして、それをコンピュータに分かるように伝えるのも、人間の仕事です。コンピュータに分かる形で仕事を書き表したものがプログラム、それを書くのがプログラミングなのです。

つまりプログラムは、私たちと同じ人間が、「こんな風に動くと便利だ、こうするときっと良いものができる」と思って作っているものです。もちろん人間が作るものですから、間違いはあるでしょう。でも、プログラミングの知識を持つことで、どんな時に間違うのか、どんな危険性があるのかを、なんとなくでも分かると、ずっと気持ちが自由になります。なにより、「正体の分からない何か」が身の周りを取り囲んでいる、という感覚を持たなくなります。

研:なるほど!プログラミングの裏側には、必ず作った人が見えてくるということですね。


あなたのプログラムが世界を救うかも?!

先生:
プログラミングができれば、身の周りにある「コンピュータを使った道具」を、新しく自分の手でつくることもできます。インターネットやスマートフォンのストアを見れば、世の中にはたくさんの種類のサービスやアプリがあるでしょう。けれど、自分の問題をぴったり解決してくれる、自分のためのアプリってなかなかないものです。

研:そうですね。なかなか思った通りの機能のアプリは見つけられないですね。

先生:
たとえば育児の記録アプリ、家計簿アプリ、言葉遊びゲームや情報交換サイト。
「ここがこうなっていればいいのに」「こういうのがあったらなぁ」と考えた時、「自分でつくってみよう」と思えたら、すごくわくわくすると思いませんか?

研:わくわくします!

先生:
そして、もし自分が作ったものが、同じ問題に悩む他の人の手助けになるとしたら?
同じことを楽しめる他の人を笑顔にすることができたとしたら?それがどんなにささやかなものでも、世界を少し明るくする手がかりになれるかもしれないんです。

研:すごいです…そんな素敵なものが作れたら鼻高々です。

先生:
私たちの周りにはコンピュータがあふれていて、プログラムがそれを動かしています。
その状況はこれからも変わらないどころか、ますます加速していくでしょう。
そんな世界を、「わけのわからないものに囲まれて息苦しい」と感じるのではなくて、「自分で変えられる、自分が働きかけて作っていけるチャンスがある」と感じられる。その扉を開いてくれるのが、コンピュータとプログラミングの知識なのです。

だから私は、まずどんな人にも、プログラミングに触れる機会を得てほしいと思っています。合わなかったら合わなかったでもいいのです。自分がプログラムを組み立てて、その通りにコンピュータが動く。その体験があるだけで、きっと周りの世界を見る視線が変わってきます。
このコンピュータに囲まれた世界を、自分や自分と同じような人たちが作って、動かし、より良くしようと努力している。そういうふうに見てほしいと願っています。

研:
鳥井先生のお話を伺って、プログラミングが身近なものに思えてきました!
複雑なものも、まずは初歩的なところから触れていけば、理解することができますね。
分かりやすくご説明いただき、ありがとうございました。
これからもヒューマンアカデミーこどもプログラミング教室を、よろしくお願いいたします!


※本記事は『こどもプログラミング通信』の記事を再構成して作成しております。

 

 

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