パネルディスカッション

――ご自身の子ども時代について教えてください。

高橋先生「ぼくはずっとロボット馬鹿だったわけではなく、魚釣り、スキー、クルマなどに興味を持っていました。ただ、常に工夫しながらもの作りを楽しんでいました。例えば、釣りのルアーを自作してみたり、スキーのトレーニング器具を作ってみたりと。その経験が、今のロボット作りにもそのまま活きていると思います。」

柳田先生「ぼくは、遊びの種類が少ない時代に生まれたこともあり、自分たちで工夫をしていました。その点で高橋先生と似ているかもしれません。7歳の時にロケットの打ち上げを見て宇宙への夢をかき立てられ、小学校5年生の時には、お年玉を全部使って、ビーカーや硫酸を買って自主的に実験を始めました。昔も今も、想像力を受け止めてくれる〝何か〟があれば、子どもたちは想像力を使って遊ぶように思いますし、昨今言われる、理科離れを心配する必要もないと思うんです。」

――ロボット教室は高橋先生と山本社長の出会いがきっかけで生まれたんだとか。

山本社長「はい、わたしと高橋先生が出会ったことで、ロボット教室は生まれました。ですから、内容などに関しては、高橋先生がお持ちのノウハウを活かしています。そうして生まれたロボット教室は現在、子どもたちの意志・気持ちをふくらます場所として、意義のある授業が実施されていると考えています。学校では学べない、お子さんが楽しんで驚いて、勉強が楽しくなる、そういうものをお願いしました。」

高橋先生「楽しんでいる間に多くを学んでいる、というのが理想だと思っています。でも学校の勉強は逆になりがち。押し付けられた学びの中で、勉強が嫌いになってしまう。そういう意味で、ロボットというのは、子どもが楽しみながら学べるとても良い教材なんです。子どもたちには、必ずしも全員がロボットの専門家になってもらいたいと思っているわけではないんです。ロボットを通じて科学全般に興味を持ってもらえればいいなと、思っています。」

――楽しみながら、というのがやはり、授業のキーワードなのでしょうか?

柳田先生「楽しさは、自分でやろうとする気持ち、自主性と一体のものと思っています。勉強もそうですよね。やらされている子は勉強は楽しくない。だから伸びない。ですから、やらされている理科の実験なんて最悪なわけです。体験として楽しくないと好きにならない。楽しくない理科は理科じゃないと思うんです。どうなるんだろう? という〝わくわく〟を感じてもらえるような実験にすること、それを常に意識しています。」

――理科実験教室の実験を監修する中で、いちばん心掛けていることは何ですか?

柳田先生「本質に早く近づくこと。いちばん伝えたいことに、実験の内容が真っ直ぐ向かえるようになっているかどうか。不思議さに最短距離で触れること、その驚きにたくさん触れることが、子どもの頃に大切なことだとわたしは考えているんです。」?

――ロボット教室の展望を教えてください。

高橋先生「今日はインターネットを利用した発表もありましたし、将来的には、海外の生徒さんもぜひ参加して欲しいですね。そうやってグローバル化することで、ロボット教室自体が、子どもたちの手によって進化していくように思います。世界大会の開催、実現できたらいいですね。」

――21世紀を担う子どもたちに伝えたいことを教えてください。

柳田先生「不思議だな? なんでだろう? と疑問に思うことがあれば、しっかり心に持っていてください。そのときには答えが分からなくても、きっと答えが、いつかわかる日が来ますから。その繰り返しがいちばん、科学の勉強になると思います。そして、自分が面白いと思ったこと、やりたいと思ったことは徹底的にやる。そういう思いを大切にしてください。それは大人が絶対に教えられないものです。自分が興味のあるものは、自分でしか見つけられないのですから。」

高橋先生「現在のIT産業などは、一見遊びのようなものが多いですよね。例えばTwitter、Facebook、YouTube等々。そんなこれからの時代、面白いことを考えて、工夫しながら実際にやってみる、そういう人が社会で求められているように感じます。幸いロボット教室や理科教室をはじめ、そんな体験が出来るチャンスがあります。みなさんも、色々なことに楽しみながらチャレンジしてみてください。」

最後に、柳田先生と高橋先生は、「もし未来で、この中の子どもたちと一緒に研究することができる日が来たら、それはとても幸せなことですね。」と笑みを浮かべて夢を語ってくださいました。

その後、ロビーで開かれた先生おふたりのサイン会では、直に憧れの先生と言葉を交わし、記念撮影をする多くの生徒さんの姿が見られました。サイン本を片手に、笑顔を見せる生徒さんで溢れるロビー。参加した全ての人たちにとって、思い出深い日になった一日でした。

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