アドバイザー紹介

西成先生プロフィール

西成活裕先生
東京大学 先端科学技術研究センター 教授

1967年東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)の学位を取得。
その後、山形大、龍谷大、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター教授。ムダどり学会会長、ムジコロジ―研究所所長などを併任。
専門は数理物理学。様々な渋滞を分野横断的に研究する「渋滞学」を提唱し、著書「渋滞学」(新潮選書)は講談社科学出版賞などを受賞。
2007年JSTさきがけ研究員、2010年内閣府イノベーション国際共同研究座長、文部科学省「科学技術への顕著な貢献 2013」に選出、東京オリンピック組織委員会アドバイザーにも就任している。
日経新聞「明日への話題」連載、日本テレビ「世界一受けたい授業」やTBSテレビ「東大王」に多数回出演するなど、多くのテレビ、ラジオ、新聞などのメディアでも活躍している。趣味はオペラを歌う事、そして合氣道の稽古。

<研究内容の紹介>
車や人の渋滞や混雑は今や大きな社会問題の一つですが、この緩和をめざして新しい数理物理学的なアプローチで研究するのが私が取り組んでいる「渋滞学」です。
渋滞は車や人だけでなくバスやエレベーターでも発生し、そして工場での生産ラインや物流現場で在庫がたまるのも渋滞といえます。
こうした社会的な流れを分野横断的に研究し、数理モデルで理論的に解き明かし、そして実験や観測、シミュレーションを通じて全体最適な新しい解消方法を提案しています。
近年では人流の全体最適化を目指す群集マネジメント研究会を立ち上げ、東京オリンピック組織委員会アドバイザーとして安全な観客誘導を目指して活動しております。
また物流の効率化を科学する先端物流科学講座も立ち上げ、今後の持続可能なロジスティックスに貢献していきます。

西成先生からのメッセージ

数学は社会に欠かせない学問です。私が取り組んでいる「渋滞学」もその一つで、車の渋滞を解消するとか、人の流れを分析して感染を防止するときにも、数学を使って問題解決しています。数学はさらに音楽や芸術とも密接な関わりがあるのですが、そういうことをたくさん知ることで数学にもっと興味を持つお子さんも増えるのではと思います。
ふだん私は大学生、大学院生と接することが多いのですが、小中学生はじめ幅広い年齢の子どもたちにも、数学が社会や人生をよりよくする大きな力になると伝えたい。ヒューマンアカデミーのさんすう数学教室での学びを通じて、算数・数学の楽しさ、奥深さに子どもたちに気づいてもらえたらと考えています。

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