櫻井 健太郎 さま
弊社は主に半導体製造装置、工場生産ライン自動省人化の機械装置、昇降機(エレベーター)関係の機械設計をしております。入社から15年はエンジニアとして勤務させていただき、5年前に専務取締役に、昨年4月からは社長に就任させていただいております。
弊社はメーカー企業と取引をする“B to B”の会社で、機械設計を主としたモノづくり企業です。そのため“地域の方への認知度”という点では低い状態でした。そのため、「地域の方にもっと我々を知っていただくことはできないか?」と考えていた時、ヒューマンアカデミーのロボット教室を見つけたんです。
ヒューマンアカデミーは、実績とブランド力がすごく大きかったので、他社と比較して悩むことはありませんでしたね。「ロボット教室を通して地域貢献をしたい!」また、「もの作りの楽しさを子どもたちに伝えたい!」という気持ちで教室を始めました。
おかげさまでロボット教室の運営を始めてから、小学生のお子さんなどをはじめ、地域の方に弊社のことを知っていただく機会が多くなってきました。ですので「地域での“認知度アップ”という点では課題解決できたのではないかな」と考えております。
開講は平成26年ですので、まもなく10年が経とうとしています。延べ人数は150名を超えました。今では本業の機械設計よりロボット教室のイメージが強く、「子供たちに楽しくロボットをつくることを教えているモノづくりの会社」と思われているのではないでしょうか?機械設計という専門職の認識がまだまだ薄いですが、地域の方々が弊社の存在を認知していただいたことをうれしく思っています。また、長いスパンにはなりますが、まずは「ロボット教室を通して、モノづくりに関心をもってもらう!」その後「弊社に入りたい」というお子さんがでてきてもらえると、すごく嬉しいですね。
“自分で作ったロボットが動く喜び”が原動力になっています。組み立てや改造をしていく中で、試行錯誤や仕組みを考え改良を重ねていく。それによって観察力や想像力、集中力が伸びていますね。教室に入った当時は少し上手くいかない子どもたちもいました。でも回数を重ねることによって、対策を見つけて課題解決をしていく姿をみて、子どもたちの成長をひしひしと感じております。
また親御さんからは「子ども自らが通いたい!と言っています!」という声や、「子どもが毎回楽しみにしています!」という声をいただいているのは、ありがたいことですね。
生徒さんがロボット作りを楽しんで「面白かった! こんな仕組みで動いているんだ!」と目を輝かせて話している姿を見た時、“教室を始めて良かったな”と一番に感じますね。
弊社も新卒採用をさせていただいているのですが、入社試験の際に、大学の機械科で学んだ方でも“図面が読めない・書けない”という事例が最近多く出てきています。その要因として考えられるのは、「小さい時から動くモノに触れる機会が、昔に比べて減っている」からではないでしょうか。最近はゲームがグラフィック化されて、3Dでモノが動くので「“頭の中でものを考える”という思考体験」がだいぶ少なくなってきている。一方こちらロボット教室は、自動で形が作られていくのではなく、自分の手でブロックを使って形を作りあげていくもの。なおかつ自分で必要な動作を付け加えていくので「“創造性”と“空間認識能力”が養われているな」と感じています。
将来ロボット教室の卒業生が、弊社に入ってくれるかどうかは分かりません。でも、「“未来のエンジニア”として育てていけるんじゃないか」というところは、とても魅力的ですね。
今後の社会では、自動化やAIといった最先端のものを作っていく時代になると思うので、プログラミングといった分野もすごく需要が高くなってくる。そういった技術を学ぶ時間は義務教育として学校で教えていく、という動きになっていると思いますが、それだけでは足りない。
ですので、こういったロボット教室のような“学校の外でも学べる場”を少しでも増やしていきたい。滋賀県だけではなく、全国にそういった教育を学べる場がもっと増えていけばいいな、と感じています。
まだ先、2028年の話ですが滋賀県にも高専ができる予定なので、我々も注目しています。その学校で「どういった内容を学べるのか?」といった情報を知った上で、弊社も支援できる形で、子どもたちの未来に関わっていきたいですね。
また、企業がロボット教室を導入することで、微力ながら地域への貢献と、将来のエンジニア育成のお手伝いができると信じています。
今の社会ってすごく変化が激しい。私自身、小学生の子どもがいるのですが、「子どもの教育を学校だけにお願いするのは難しいかな……」と感じております。学校をはじめ、もちろん家庭でも、また地域社会とも連携していくことが必要だと思っています。
その中で豊かな人間性を持ち、子どもの育成を図れるのは学校だけではなく、ロボット教室のような教育機関を通してでも、できると考えております。ですので、「未来ある子どもたちのために“きっかけ”を与えられるような場所を、共に作っていただければ!」と考えております。