これからの教育はどうなる?子どもの成長を支える指導者が意識したいことを紹介|こども教育総合研究所
ヒューマンアカデミー こども教育総合研究所

近年、身近な生活における人工知能やロボットの普及に見られるように、ITを活用したテクノロジーが著しいスピードで進歩しています。また、気候変動や感染症の蔓延などもあり、自然環境も含めて社会の変化が目まぐるしい時代だといえるでしょう。そんな先行きが不透明なこれからの時代を子どもたちが生き抜くためには、変容し続ける価値観を常にアップデートし、多様な考え方や文化を受け入れられる力が求められています。

子ども教育の現場でも、「型にはまった人材」「言ったことをできるだけの人材」ではなく、さまざまな情報をくみ取り、優先順位を判断しながら自分で試行錯誤できる「将来活躍する人材」を育てるため、多くの取り組みが始まっています。

未来を担う子どもを支える大人たちは、どのような考え方で子どもの成長をサポートすれば良いのでしょうか?この記事では、将来活躍する子どもを育てるために教育で大切な考え方と子どもに寄り添う指導者が意識したいポイントを紹介します。

これからの教育を支える、子ども教育の3つの方法とは?

これからの時代を生きる子どもたちを育てる教育方法として、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア・アプローチ教育、STEAM教育などの言葉を聞かれたことがある方も多いと思います。

3つの教育方法すべてに共通しているのは、子どもの「自ら学んで行動に移す姿勢」を尊重していることです。それぞれについて具体的に見ていきましょう。

1. モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育とは、1900年代のはじめにマリア・モンテッソーリという女性医師が考案した教育方法です。「人には自分で自分を育てる力(=自己教育力)がある」という考え方を大切にしており、一生を通して学び続けられる人間を育てることを目標としています。

モンテッソーリ教育の手法は世界中の幼稚園・保育園で取り入れられています。子ども一人ひとりの主体性を大切にしているため、大人が子どもに「これをやりなさい」と命じることはありません。子どもがさまざまな物事に興味をもちやすい環境を用意し、「自分でやりたいことを見つけ、納得するまで取り組む」ことをサポートします。

モンテッソーリ教育の例
・先生の洋服にボタンをかける姿を模倣しながら、自分なりに試行錯誤しながらボタンをかける練習する

2. レッジョ・エミリア・アプローチ教育

レッジョ・エミリア・アプローチ教育は、1950年代初頭にイタリアのレッジョ・エミリアという都市で開発された教育手法です。ローリス・マラグッツィという教育学者が幼児教育の現場に取り入れたスタイルが起源となっています。

レッジョ・エミリア・アプローチ教育では他者との積極的な関わりの中で、自ら考える力や行動する力を育むことが大きな特徴です。「プロジェクト」という、物事のゴールや取り組み方を子ども同士が話し合って決定し、実際に行う時間が取られています。自主性や責任感の他に、社会性、協調性を身につけることができる革新的な方法として注目を集めています。

レッジョ・エミリア・アプローチ教育の例
・友達どうしで相談しながら、葉っぱやドングリを使って大きな絵を描きあげる

3. STEAM教育

STEAM(スティーム)教育は、3つの中で最も新しく、かつ注目度の高い教育方法です。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)、Arts(教養/創造性)の5分野から頭文字をとって名づけられました。

さまざまな分野で学んだ知識を統合的に活かし、現実社会の課題に立ち向かったり、新しい価値観を作り上げたりできる力を育むことを目標としています。これらは、人工知能が登場し、日々加速する情報化社会に適応するためには欠かせない力です。

STEAM教育の考え方は文部科学省によって小学校の学習指導要領にも取り入れられるなど、これからの日本で最も注目される教育方法になるのではないかといわれています。そのため、多くの幼稚園・保育園で、STEAM教育を意識した指導が始まっています。

STEAM教育の実践で、これからを生きる子どもたちに身につく4つの力!

これからの時代を生き抜く人材が育つ教育アプローチとして、注目されているSTEAM教育ですが、実践することで、「論理的に考える力」「最後まで考え抜く力」「アイデアを形にする力」「挑戦する力」の4つの力が身につくと考えられています。

STEAM教育の手法を取り入れた習い事として今大きな話題となっているのが「ロボット教室」です。「ロボット教室」ではその名の通り、ロボットをブロックで組み立て、モーターをつなげて実際に動かすまでの過程をすべて子ども自身の力で行うことで、さまざまな力の育成が期待されている習い事です。

ヒューマンアカデミージュニアが展開するロボット教室では、子どもの発達段階に応じて無理なく学べる1~2年単位のコースが複数用意されており、小学校入学前から最長8年間学ぶことができます。コースの修了生の中にはすでに高校・大学に進学している子どもがたくさんいますが、その多くがロボット教室で学んだ力を武器に、さまざまな分野で活躍しています。

ロボット教室での学びの様子を例に、STEAM教育で身につく4つの力について具体的に見ていきましょう。

論理的に考える力

はじめはロボットを組み立てること自体に高いハードルを感じる子どもでも、先生のサポートを通じて「どのような仕組みでロボットが動くのか?」を論理的に考えられるようになります。

また、年に一度開催される大会に向けて、より高度なオリジナルロボットの制作に取り組む中で、「複雑なことを一つひとつ整理し、筋道を立てて整理する力」を鍛えられたと振り返る修了生が多くいます。

最後まで考え抜く力

「ロボットが組み立てられない、動かない」状況に対してなかなか自分で解決策を導き出せないことにもどかしさを感じる子どもでも、先生の問いかけやアドバイスに耳を傾け、試行錯誤する中で「最後まで取り組み、自分なりの答えを出す」ことの楽しさに目覚めるようになります。

自分が知らないことやわからないことを怖がらず、「ワクワクする楽しいもの」と捉えられるようになり、知的好奇心が育まれたと感じる修了生が多いのも特徴です。

アイデアを形にする力

ロボット教室ではブロックや人形遊びとは異なり、モーターの力で動くロボットを組み立て、実際に動かすために試行錯誤を繰り返します。そのため、「こんなロボットを作りたい」という子どもの多彩なアイデアを現実のものとして作り上げることが可能です。

アイデアを実現する過程で、自分の理想を実現するためには、ロボットの構造やパーツの使い方などを一つひとつ学ぶ必要があることを、子どもは経験として理解します。

「自分が形にしたいものを具現化するためにはどうしたらいいか?」を深く考える力が身についたと、多くの修了生が口にしています。

挑戦する力

はじめからロボットを簡単に組み立て、動かせる子どもはいません。自分の思い通りになってくれないロボットを前に「どうしたら動いてくれるのだろう?」とトライ&エラーを繰り返すことで、徐々に「自分で解決策を見つける」ことの面白さを実感していきます。

修了生の中には「ロボット制作のおかげで、学校での研究で予期せぬトラブルに遭遇しても、それに立ち向かうことが面白くなった」という人もいます。

子ども教育を支える指導者の工夫も欠かせません

これら4つの力を子どもが楽しみながら身につけられるようになるためには、各教室の先生のサポートが欠かせません。ロボット教室の先生は、子ども一人ひとりのもつ能力を最大限に伸ばすため、次の3つのポイントに注意しながら日々子ども達の成長を見守っています。

共感する・褒める

教室の先生は、結果だけでなく、「自ら考え、それを達成するために努力した」という子どものチャレンジ精神や行動そのものを評価しています。

そして、子どもの「難しかった、大変だった」という気持ちをしっかり受け止め、その上で「できた」ことの嬉しさに共感しながら褒めることを大切にしています。身近な大人が自分の気持ちに共感し、行動そのものを褒めてくれることで、子どもは安心して難しいことに挑戦できるようになります。

答えの代わりにヒントを教える

子どもがつまずいたとき、先生は「こうするのはどう?」など、アドバイスはしますが、「この部分をこう変えなさい」と具体的に解決策を指示することはありません。

何度も失敗と成功を繰り返し、自分の力で少しずつ正解に近づく体験をしてもらうことで、自分の力で最後までやり切る力を高めることができるのです。

一緒に悩みながら問いかける

ロボット教室に通う子どもの中には「まだ自分一人では考えられない」「できないとすぐ諦めてしまいたくなる」という子どもも、もちろんいます。それはいたって普通のことです。そんなとき、指導者は子どもに「どうして動かないと思う?」など優しく問いかけ、一緒に悩み、解決方法を考えていきます。

悩みに寄り添い、諦めずに考え続ける姿勢をサポートすることで、子どもに「自分でもできる」という自信をつけてもらえると考えています。

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ヒューマンアカデミージュニアでは、現在、変化の多いこれからの時代を乗り切っていくために、子どもたちの自主性や思考力を育てる教育活動に力を入れています。

今回紹介した「ロボット教室」をはじめ、「こどもプログラミング教室」「科学教室」「英語教室」「さんすう数学教室」など、さまざまなコースを開講していますが、これからの時代の教育理念に共感し、一緒に子どもたちの成長をサポートしてくれる先生がまだ足りません。「これからの時代の主役となる子どもたちの教育に携わりたい!」という意欲のある方を積極的に募集しています。

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執筆:ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所 編集部

ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所 編集部

ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所編集部では、「STEAM教育」や「グローバル教育」に特化した最新の教育情報をお届けします。

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