もうすぐ冬休みが始まりますね。夏休みや春休みと違って、おうちの方の仕事もお休みになるこの期間は、子どもの勉強をじっくりみてあげられる貴重な機会です。とはいえ、おうちの方が長時間勉強につきあうことは、お子さまの学習効率や、冬休み中のイベントを考えると、あまり現実的ではありませんよね。しかしイベントごとばかりで、勉強から遠ざかってしまうのも、休み明けの授業が心配になるのではないでしょうか?
約2週間と限られた時間のなかで、クリスマスや大晦日、お正月とイベントが目白押しの冬休みですが、パパやママが勉強をしっかりみてあげられる期間だからこそ、2学期までの苦手克服と、計画立てて家庭学習に取り組む習慣を身につける機会にしてみませんか?
【小学校1~2年生】
冬休み中に家庭での学習習慣を身に着けよう
小学1~2年生のうち、特に1年生は勉強への興味関心が高く、やる気にあふれる時期です。「勉強が楽しい」と思えるうちに、学習習慣を身につけさせて、「歯を磨く」「顔を洗う」といった日常の習慣と同じように定着させることを目指しましょう。
保護者の方も家にいる冬休み中には例えば、「読めない/書けない漢字」「計算の繰り上がり」といった2学期までの苦手分野を中心に、学習ドリルなどを使って10分程度の反復学習を繰り返し、学習習慣を身につけさせたいですね。
お父さんやお母さんが、教科者や学習ドリルを開いて、どうしたらそれを克服できるかをお子さまと一緒に考えて克服すれば、苦手だった科目も「好きな科目」「得意な分野」になるのではないでしょうか。
つまずきやすい「算数」
小学校入学前から、絵本などで親しんできた物語や言葉を学ぶ国語に比べて、計算などで答えを出すことが求められる算数が難しいと感じる子どもは少なくありません。小学3年生以降には、難しい学習が控えていることから、小学1~2年生の段階で算数に苦手意識を持ってしまうのは避けたいですよね。苦手意識を持たせないためには、つまずいたポイントへの早めの対処が必要になります。「算数」が苦手ではなく、好きにするためにも、まずはお子さまが「数を数えること」に苦手意識を持っているのか、それとも「計算」が難しいと思っているのかを見極めてみましょう。
「数を数える」のが苦手な場合
算数の学習では、「数を数えられる」ことが大前提になります。数を数えられない子では簡単な足し算、引き算も解くことができません。数を数えることができるだけでなく、数字を正しく書けているかも重要です。計算の勉強に入る前に、きちんと数字という概念が理解できているか確認してみてください。
「今日はお皿が何枚必要?」「届いた年賀状を数えてみよう」といったコミュニケーションのなかで、数字に興味を持ってもらえるよう声掛けするのがおすすめです。
もし理解できていなければ、一緒に数を数えるところからスタートします。きちんと数を数えることができ、数字も正確に書けるようになれば、1桁の足し算引き算から、計算の学習に入りましょう。
「計算」が苦手な場合
数字や数え方を理解していて、算数に苦手意識を持っている場合、「計算」にとっつきにくさを感じているのかもしれません。そういった時は「反復学習」が有効です。
最初は指を使ったり、図に書いたりしながら、簡単な足し算引き算の反復を行いましょう。指や図を使わなくても計算できるようになったら、計算ドリルを取り入れても良いです。何度も繰り返し同じ問題を解き、慣れたら時間を測って、回答のスピードや正解率を記録してあげることで、集中力の向上や勉強へのモチベーションアップが期待できます。
【小学校3~4年生】
学習科目への理解度をチェックしよう
小学3年生からは、理科や社会といった科目が新しく仲間入りします。これまでの科目にプラスして、理科や社会の膨大な知識を暗記するという学習が増えるため、子どもの「理解」が追いつかなくなってしまう時期でもあるのです。理解不足によって勉強が面白く思えなくなり、うまく理解できず苦手意識を持ったままでいると、中学生になって急に成績が下がる可能性も高まってしまいます。
普段の会話の中で「あまり好きじゃない」「面白いと思えない」といったネガティブなワードが出てきたら要注意です。学校から出される冬休みの宿題は、できるだけ早く終わらせてしまい、苦手意識の可能性がある科目のケアをしっかりしましょう。
つまずきやすい「理科」
学習領域の広さから暗記学習が多くなってしまう理科科目では、学習につまずいてしまう子どもは少なくありません。小学3年生が習う理科の内容は、大きく2分野にわけられます。
- 「物質・エネルギー」分野:「物と重さ」「風やゴムの動き」「光の性質」「磁石の性質」「電気の通り道」
- 「生命・地球」分野:「昆虫と植物」「身近な自然の観察」「太陽と地面の様子」
その中でも、理解が難しくつまずきやすいと言われているのが「物と重さ」です。
ここでは、物の重さや体積、物の性質について調べ、「形が変わっても物の重さは変わらない」「体積が同じでも重さが異なる場合がある」ということを学習します。ここでつまずいてしまうのは、「質感」「大きさ」「重さ」の関係が正しく理解できない子が多いからだと言われています。
この苦手を克服するためには、実際に物の重さを量ったりして、実際に感じてみるのがベストです。「切り餅と鏡餅は形が違うけど重さが同じ」といったことを体験することで、重さの性質が理解できるようになるでしょう。
冬休みは約2週間とあまり日数もなく、クリスマスや大晦日、お正月といったイベントも目白押しです。予定がたくさんあって、なかなか落ち着いて勉強出来ない、というご家庭も多いと思いますが、2学期の学習内容であまり理解ができなかったところや、苦手だと思っている科目の復習は必要です。
まず冬休みが始まる前に、旅行や行事などで勉強出来ない日を除き、どのくらの時間を勉強時間に当てられるのかを子どもと一緒に把握しておきましょう。そのうえで、冬休み中に学習したいことを書きだして、大まかなスケジュールを作ります。そのスケジュールをもとに、一日の目標を立ててみてください。お子さまだけでなく、周囲の大人もスケジュール作りに参加することで、勉強に対するモチベーションアップも期待できます。親子の時間がとれる冬休み中に、お子さまの苦手を克服して、楽しい新学期に備えましょう。