2021年7月11日(日)、「第4回ロボプロ全国大会」を初の試みとなるオンラインにて開催しました。
当日は、総勢13名の選手たちによるオリジナルロボットのプレゼン動画を視聴し、審査員からひとりひとりへ質疑応答を行いました。今年はテーマ部門、フリー部門2つの部門でそれぞれ発想力、想像力、実現力を競いました。
今年のMVPは史上最速で決定―――?!
※第4回大会のテーマは「おうち時間で家族の生活をもっと楽しくしてくれたり、便利にしてくれる作品」
参加者のみなさん、お疲れ様でした。
今回の全国大会は例年の全国大会とはちょっと違ったなあと思いました。
昔はもっとみなさん、「メカ、メカ、メカ」で押してたんですよ。
それが、今年の傾向として
「使ったことのないセンサーにチャレンジしよう」とか
「やったことのないプログラミングにチャレンジしよう」という流れが来たようで
僕としては、とても望ましいことだと思います。
ロボットって「電子回路、メカ、プログラミング」っていう三位一体なんです。
さすがに全国大会に残った上位者のみなさん、
それぞれみなさんなりの工夫があり、とても楽しませていただきました。
今回受賞できなかったみなさんもいると思いますが、それは負けではないです。
今回受賞された方のことを参考にしたりして益々、腕を磨いてください。
MVP賞
福岡県 中間教室/中学3年生(14歳)
山本 蒼也(やまもと そうや)さん
MVP賞
作品名『ダンシング・チンアナゴ』
作品のポイント
光センサーで明るさを判別し明るいとき、暗いとき、バイオメタルファイバーで表現したチンアナゴがそれぞれ違った動きをするように工夫しました。
動きは乱数を使ったプログラミングでバラバラに動かし、生物らしさを出しています。
特に難しかった動きは大きな振動を感知したときに、チンアナゴが驚いて止まるという動きです。
メインのプログラムが実行中の間は他のプログラムが実行できません。
なのでマイコンの割り込み実行機能を利用し、メインのプログラムが実行されていても関係なく反応できるようにしました。
古田先生からのコメント
「今回の全国大会、どれもこれも素晴らしくて最優秀賞(MVP)を決めるのにとても時間がかかりました」なんていう歯の浮いたことは言いたくない。君は満場一致なおかつ最速記録でMVPに決まりました。
技術力も企画力も細かい造作や動きに至るまでそのすべてが圧倒的に素晴らしかった。久しぶりに欲しいかもと思ったものを作ったのが君だった。できるならば(山本くん自身を)うちに(fuRo)ほしいくらいだ。ほめる言葉が難しいくらい素晴らしかったね。おめでとうございました!
テーマ部門 最優秀賞
愛知県 東山公園教室/中学2年生(13歳)
浅野 光太郎(あさの こうたろう)さん
テーマ部門 最優秀賞
作品名『じゃんけんロボット』
作品のポイント
コロナで友達とあまり遊ぶことができない妹が、家で一人でも遊べるロボットを作りました。
このじゃんけんロボットはじゃんけんとあっちむいてほいで遊ぶことができます。
勝敗の判定は人間が行うのではなく、ロボットが自動で行います。
じゃんけんの勝敗判定は手に持つゴムバンドにつけているタッチセンサーで、
あっちむいてほいの勝敗判定はマスクに取り付けた加速度センサーで行います。
じゃんけんをしているときに親しみを感じられるよう、人型の見た目にもこだわりました。
古田先生からのコメント
選んだポイントはじゃんけんして、ちゃんとゲームできるところです。
あっちむいてほいの勝敗判定において、顔の動きをどう検出するかというとても難しい課題を、開き直って加速度センサーを、マスクにつけることで解決させた。
しかもこれまで使ったことのないセンサーを使えるようにするというチャレンジをしながら、ちゃんとものにして、上手く動いていたというところがよかったです。そして何より面白かった。
おめでとうございます。
フリー部門 最優秀賞
大阪府 狭山池前教室/中学2年生(14歳)
中村 倫晟(なかむら りせい)さん
作品名『自動運転ロボカー』
作品のポイント
今回僕が作ったのは近未来の自動運転ロボットカーです。
目的地まで完全に自動で移動することができます。このロボットを作ろうと思ったきっかけは、ある会社が街をつくると言っていて、これからは自動運転の時代だと思ったからです。
このロボットはライントレースに似た原理を使っていますが、今回のコースに黒い線はありません。
代わりに紫外線に反応する塗料を塗ってあります。
ロボットから紫外線を出し、コースに塗った紫外線に反応する塗料をロボットの底についているカラーセンサーで読み込み、ロボットが動くようになっています。
超音波距離センサーを使って障害物に反射してきた超音波を受け取り障害物との距離を測って止まることも可能です。
古田先生のコメント
紫外線を使ったセンサーという未知のセンサーを使う考えがよかった。
ライントレーサーって苦労ばかりでいい思い出がないはずなんだよ。
それをよくぞ、また違うセンサーを使ってチャレンジし、完成度を上げようという気になったもんだ。
そこのチャレンジ精神というか執念がね、まあまたすばらしい。
これからもガンガンガンガンプログラムを書いて、面白いことやってください。
おめでとうございます。
ルーキー賞 2名
東京都 東陽町教室/中学1年生(13歳)
平野 悠人(ひらの ゆうと)さん
作品名『ネコトモ』
作品のポイント
このロボットは猫とじゃれあうロボットです。なぜこれを作ったかというと僕の家には2匹の猫がいて、おもちゃが大好きなので、このロボットで遊んでくれたらいいなと思い作りました。
このロボットの具体的な動作は、超音波センサーで猫との距離を測って、猫が近くにいないときはゆっくりと回転し猫を探す動作をします。ネコが近づいてくると止まって、猫が追いかけてくると逃げて、猫が逃げると追いかけます。このロボットの工夫したところは猫の気を惹くために音と光をランダムにした点です。ランダム関数を使用し、LEDのRGB値とブザーの周波数を乱数にしました。
古田先生のコメント
平野くんのネコトモは、1年目とは思えませんでした。
あの動きの完成度の高さ、素晴らしいね。
これからの益々の技術の向上がとても期待できます。
どう技術を使って猫をたのしませるかっていうのをちゃんと考えていたのがよかった。
これからも頑張ってください、動きがきもかわいかったよ。
愛知県 豊橋岩田教室/中学2年生(13歳)
小竹 エミリオ(こたけ えみりお)さん
作品名『エンタミリオ』
作品のポイント
今回はピアノロボット「エンタミリオ」を作りました。このロボットはピアノとしてだけではなく2つのゲームが遊べます。コードを見て当てるゲーム、音を聞いてコードを当てるゲームの2つです。
このゲームをずっとやっていると絶対音感が身につくようになります。
自分はこのロボットはエンタメのロボットだと考えたので自分の名前のエミリオとエンタメをかけて「エンタミリオ」と名付けました。音楽が大好きなのでこのような音楽に関係あるロボットをこれからもたくさん作って楽しんでいきたいです。
古田先生のコメント
実はルーキー賞はフリーとテーマから一人ずつの予定だったが
あまりにも君の音楽愛と完成度が素晴らしいからテーマとかフリーとかやめて、
君に賞をあげたくなって選びました。
とても完成度が高かったのとちゃんとあの大きいLEDを使いこなしていた、
何よりもゲーム性とかを考えていたのと君の音楽愛があふれていた。
素晴らしかった、これからも頑張ってください。
審査員特別賞
愛知県 川名教室/中学2年生(14歳)
南 幸佑(みなみ こうすけ)さん
審査員特別賞
作品名『非接触式すごろく』
作品のポイント
家族ですごろくをしたときに、みんなが触ったサイコロをあまり触りたくない、サイコロと駒が勝手に動いてくれると楽だと思い、最初から最後まで触らなくても遊べるすごろく「非接触式すごろく」を作りました。工夫した点は
・電子サイコロに静電容量式スイッチをつけて、指を近づけるだけで反応することができる
・コースを毎回変えられるように決まった形にせず、色紙を置くだけのコースにしたこと
・ゴールした駒が一目でわかるように付属の旗を揚げるギミックをつけたこと
・ゴールした駒が電子サイコロの左右についているスイッチに同時に指を近づけることで駒がスタート地点に戻ってくること
みなさんの中にこれで遊びたいという方が一人でもいてくれたら嬉しいです。
古田先生からのコメント
この審査員特別賞っておまけのような印象あるかもしれないけど、違うよ。
僕らの中では通称”技術賞”だと呼んでいます。
君の作品は、ぱっと見たぶん玄人すぎてわからないんだけど、(駒の)Arduino Nanoと2つとちゃんと
(サイコロの)Arduinoを通信させていて、そこの技術力がとても高い。
この賞は君だろうと満場一致でした。ぜひこれからはこの技術を使ってもっと面白い楽しいことをやってくださいますますのこれからの技術力のレベルアップを期待しています。おめでとうございます。
第4回ロボプロ全国大会 約4分30秒のダイジェスト動画です。