プログラミングは早くから学ぶといい?|こども教育総合研究所
ヒューマンアカデミー こども教育総合研究所

現役プログラマーとして様々な活動をされている鳥井雪氏による、プログラミング通信をご紹介します。こちらのコラムでは、「実際のプログラマーが毎日どんなことを考えてプログラミングしているか」や「実生活でプログラミング的思考がどのように役立つのか」などを、わかりやすく分解してご紹介いただいています。

★こちらの「こどもプログラミング通信」も合わせてご覧ください!

本記事の筆者:鳥井雪(とりい・ゆき)氏

小学校高学年むけプログラミング入門書『ユウと魔法のプログラミング・ノート』著者。
Railsプログラマーとして活躍し、女性にプログラミングの技術を解放する世界的ムーブメント「RailsGirls」の、日本での普及にも尽力する。その功績を認められ、2013年楽天テクノロジーアワード ルビー賞受賞。
RailsGilrsの創始者の一人である、リンダ・リウカス著のプログラミング教育絵本『ルビィのぼうけん』を翻訳、1カ月経たず3刷2万部のヒットとなり、プログラミング教育必修化にむけての一助となる。
翻訳に『ルビィのぼうけん こんにちはプログラミング』『ルビィのぼうけん コンピューターの国のルビィ』『プログラミングElixir (笹田耕一と共訳)』


みなさんは、プログラミング学習の開始の適齢期はあると思われますか?
どんな学びでも同じですが、「やってみよう」と思った時が、始めるのに一番いい時期です。

けれど、「早く始めるといいことがあるな」と思う事柄も、いくつかあります。今日は、子どもの頃からプログラミング学習を始めると、どんないいことがあるのか、わたしの思う二つのことをお話ししますね。

1.コンピューターを壊すことを怖がらない

いきなり、「それっていいこと?」と思われたかもしれません。でも、実はかなり大事なことだと思います。大人になってからプログラミングを始めようとする人は、かなりの割合で、「こんなことをするとパソコンが壊れるんじゃないか…」とためらって、いろんなチャレンジを諦めることがあるのです。

最近、知人の中学生に簡単なHTMLやCSSの書き方を教えています。その子について、教える際に、とてもいいな、と思うことがあります。

それは、一つのやり方を教えると、その子が「じゃあそのやり方で、ここをこう変えたらどうなるんだろう?」というチャレンジをやってみるところです。そういった好奇心や探究心からのチャレンジは、知識を深め、自分の力にすることに役立ちます。そして、「こうしたらどうなる?」の探究心をすぐに試せるのも、コンピューターのいいところです。

そうして、「そういえば、もっともっと大胆に、こういう『こう変えたらどうなる?』をする子たちを見たことがあるな」と、思い出しました。それは、Scratchを習いたての、小学校低学年〜高学年の子どもたちです。

Scratchには、プログラムで動かせるネコのキャラクターが用意されています。はじめにScratchを学ぶ時、たいていはそのネコを何歩か動かすところから始めます。
先生やテキストはいいます。「このプログラムのところに”20”を入れてみましょう」。子どもたちはその通りにします。なるほどネコがちょっと横に移動しました。じゃあ…と考えた子どもたちはその次、何をするでしょう。”20”のところを書き換えます。20000000000000000000000000000000000000000000に!

経験上、7割の子どもはこれをやります。
大抵の大人はこれをやりません。「そんな大きい数を入れたら壊れるんじゃないか」と心配しますし、数を大きくしたらその分だけこうなる、という予想がついてしまうからです。けれど、子どもたちがとにかくキーボードの0を押せるだけおして、そして実行した時、そこには「体感」があります。その体感が、プログラミングやコンピューターへの理解への扉を開いてくれるのです。

2.コンピュータープログラムを「自分が作れるもの」だと感じて育つことができる

わたしは自分がプログラマーになるまで、コンピューターの世界はなんだか曖昧な、ぼんやりと「そこにある」ものでした。”このアイコンを押したらインターネットってものがはじまる”とか、”良くわからないけど便利で、でも操作を間違えたらすぐ動かなくなる”とか、そんな感じです。

けれど、自分がプログラムを書いてコンピューターに命令できるようになると、世界の見え方が変わりました。自分の身の回りにあるコンピューターやソフトウェアが、「誰か人間が作ったもの」、そして「どんなふうにも工夫して、もっと良くできるもの」と感じられるようになったのです。
今では、銀行システムやオンラインゲームの障害のニュースを聞くたびに、そのシステムを支えて今復旧に努力しているであろう人のことを思って、胃が痛くなるような思いで応援してしまいます。

子どもたちの生活も、身の回りをコンピューターやソフトウェアに囲まれています。ゲームだったり、交通系ICカードだったり、インターフォンやお風呂沸かし機だったり。それを、「自分とは関係ないもの」と考えて育つか、「誰かが作っていて、もっと良くしていけるもの」と考えて育つかでは、きっと世界の見え方が大きく違います。もっと言うなら、「自分がこの先どんなことができるか」を、より広い可能性で考えられると思うのです。

おわりに

わたしの考える、早くにプログラミングを始めるとよい点の大きな二つをお話ししました。けれど、最初に申し上げた通り、プログラミングを始めるのに遅すぎる時期というのはありません。
ぜひどんな方にも、じゃんじゃんコンピューターを壊しそうな挑戦をしながら、新しい世界の見え方を感じて欲しいと思っています。

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執筆:鳥井雪(とりい・ゆき)氏

鳥井雪(とりい・ゆき)氏

Railsプログラマーとして活躍し、女性にプログラミングの技術を解放する世界的ムーブメント「RailsGirls」の、日本での普及にも尽力する。その功績を認められ、2013年楽天テクノロジーアワード ルビー賞受賞。 RailsGilrsの創始者の一人である、リンダ・リウカス著のプログラミング教育絵本『ルビィのぼうけん』を翻訳、1カ月経たず3刷2万部のヒットとなり、プログラミング教育必修化にむけての一助となる。 翻訳に『ルビィのぼうけん こんにちはプログラミング』『ルビィのぼうけん コンピューターの国のルビィ』『プログラミングElixir (笹田耕一と共訳)』

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