【前編】小学生がSDGsを実践!海洋ゴミを使ったプロジェクトチーム「eco robo mate」に聞く環境活動|こども教育総合研究所
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【前編】小学生がSDGsを実践!海洋ゴミを使ったプロジェクトチーム「eco robo mate」に聞く環境活動

2020/11/17

「ヒューマンアカデミーロボット教室」に通う小学生2人組「eco robo mate(エコロボメイト)」は、海洋ゴミを使ってクジラの模型を制作する「くじらプロジェクト」の活動をしています。2人は海洋ゴミの多さに驚き、環境問題を楽しく解決しようとしたところからこの活動を始めたと言います。

「eco robo mate」として活動する田中さん、笹山さんと、2人が通う「ヒューマンアカデミーロボット教室」の先生であり田中さんのお母さまでもある、田中先生にインタビューをしました。完成したクジラの模型お披露目会の様子も合わせてご紹介します!


―海洋ゴミを使ってクジラの模型を制作する「くじらプロジェクト」はどのような取り組みですか?

田中希歩さん(以下、希歩さん):「くじらプロジェクト」は、浜辺に落ちているゴミを使って、土台からクジラの模型を作る取り組みです。

笹山舜月さん(以下、舜月さん):浜辺にもゴミがこんなに落ちていて、こんなに大きなゴミがあるんだよっていうことをもっとみんなに知ってほしいと思い、この活動をしています。

希歩さん:胃の中にたくさんのプラスチックが入ったクジラが浜辺に打ち上げられたり、亀の鼻にストローが刺さってしまった映像など、人間の出したゴミが海の生物に悪い影響を与えていると本やインターネットで知り、とても衝撃を受けました。そういったことをもっとたくさんの人に知ってもらい、改善していきたいという思いがあります。

―この取り組みを始めようと思ったきっかけはなんでしたか?

田中先生(以下、先生):私は3年前から「ヒューマンアカデミーロボット教室」を運営しているのですが、生徒さんたちがロボットを作るだけでなく、だんだん仕組みが分かってくるようになってきたのを肌で感じていて、「じゃあ実際にロボットを作って、世界に対してどんな貢献ができるかな?」というところまで考えてくれたらいいなと思っていました。
そこで、自分たちが身につけたことで何か還元できる場所を設けようと思って、ロボット教室の生徒さんに「イベントに出店してみない?」という話をもちかけました。

舜月さん:それを聞いておもしろそうだと思って、やってみることにしました。
希歩さん:ロボット教室で学んだ物づくりの力を生かしてみたいと思いました。

―どうしてクジラの模型になったのですか?

先生:もっといろいろな人たちにゴミ拾いを積極的にやってもらえるようにするにはどうしたらいいかな?と考えた時に「じゃあ大きいものを作ろう!」と。それが7月くらいでしたね。

9/22に開催されたお披露目会で披露した3m×1.5mのクジラ模型。すべて海洋ゴミからできている。

希歩さん:私たちがこういう活動をすることで、魚たちが安心して泳げるようになったらいいなと思います。
舜月さん:僕は魚がプラスチックゴミを食べて、僕たちがそういう魚を食べて、人体にも影響を及ぼすことがあると聞いたので、そういうことも良くないと思っています。

―「くじらプロジェクト」は、海岸のゴミだけをつかって模型を作るのですか?

舜月さん:海岸とか岩場とかに落ちているゴミを拾います。
希歩さん:こういう活動を始めてから、歩道とか普通に歩いている時にゴミが落ちていたら、自然と拾うようになりました。自分でも意識が変わったように感じます。
最終的な目標は、ゴミを拾って作ったクジラを見た人たちが、いろんな形や色のゴミがこんなにあることを知ってもらって、ポイ捨てなど環境を汚すことをやめたり、ゴミ拾いを率先してやってもらったりと、そういったきっかけになればいいなと思っています。

舜月さん:この活動を始めてから、予想以上にプラスチックゴミが多いと気づきました。なかでも海外のペットボトルがいっぱいあってびっくりしました。

希歩さん:ゴミ拾いをした時に、電子レンジとか便器とかも流れてきたことがあってびっくりしました。便器は今まで見た海洋ゴミのなかで一番大きかったです。

舜月さん:細かいものだとマイクロプラスチックとかブイとかもありました。1日で多い日だと5〜7袋くらいになることもあって、この前は1時間半で4袋も集まりました。

さまざまなゴミでびっしりと埋め尽くされたクジラのおなか。

―お二人の活動名である「ecorobo mate(エコロボメイト)」の名称はどうやって考えたのですか?

希歩さん:それぞれのお母さんと4人みんなで考えました。“ecorobo”は「エコな物でロボットを作る」という意味で、“mate”は「活動の仲間を増やしていきたい」という想いがあります。いつかは動く物も作ってみたいです。

複数のメディア取材にも堂々と答える田中さんと笹山さん。

―イベントの参加者はどのようにして募集しているのですか?

希歩さん:参加者はSNSとチラシで募集しているけど、チラシは教育委員会にお願いして唐津市の全小学校に配布してもらったり、お店にも置いてもらったりしています。

舜月さん:塾とかで、「これ貼ってくれませんか?」って自分から言うこともあります。

希歩さん:唐津市民交流プラザや知り合いのお花屋さんにも貼ってもらいました。

お披露目会の最後には参加者のみんなで記念撮影!たくさん集まりました。

―この活動を通して、参加者や記事を見た人にどのようなことを伝えていきたいですか?

希歩さん:このイベントに参加してくれた人たちが、今の海の状態を知って、積極的にゴミ拾いをしてくれたり、海のことをもっと知ろうという気持ちになってくれたりしたらいいなと思います。ゴミは地球温暖化にもつながってしまうので、この活動を通して、海の生き物たちが安心して泳げるようになることだけじゃなく、地球に住んでいる全ての生き物が安心できるようになるんじゃないかなと思います。

舜月さん:みんなに今の海の状況を知ってもらって、「こんなにゴミがあるんだ」ということを実際に見てほしいです。そして海の周りにはゴミがいっぱい落ちてるけど、それを食べた魚をどうなるんだろう?という興味を持って調べてほしいです。

―先生は、これからおふたりにどのようなことを期待しますか?

先生:ふたりだけに限らず、全ての子どもたちに思うことですが「大人が作ったレールの上だけで人生の選択肢を考えてほしくない」と考えています。今は学校という環境のなかで、ある程度決まった社会に守られている子どもたちですが、一度大人の社会に入ってしまえば、自由で柔軟な考えが試されるようにもなってきます。大人が用意した正解の上をただ歩くのではなく、自分たちで考えて「なぜ正解なのか?なぜ間違いなのか?」を自分で導き出せるようになってほしい。そして、自分で選択ができる人に成長してほしいですね。自分の娘にも教室の生徒さんたちにも、そういう大人に育って欲しいなと願って、日々教室を運営しています。

次回は、田中先生がこのように考えるに至ったきっかけや、「ヒューマンアカデミーロボット教室」運営の魅力を通して、子どもたちと接する教育者としての想いが見えてきます。
後編も合わせてご覧ください!

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執筆:ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所 編集部

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