ついに必修化!プログラミングはどうやって取り入れられる?【国語、算数、図工】
2020/04/24
2020年4月から小学校でのプログラミング教育が必修化されました。とは言っても「プログラミング」という教科が新しくできるわけではないことをご存知ですか?
実は、プログラミング教育の取り組み方法は明確に決められていないので、それぞれの学校の方針に沿って、これまでの授業に「プログラミング」を取り入れていくことになります。そこで今回は、プログラミングを取り入れた授業はどんなものなのかを、「国語」「算数」「図画工作」の教科ごとにご紹介します。
国語:助詞の使い方を身につける(低学年)
小学校の国語の授業では、1年生から「は」「を」「へ」といった助詞の使い方を学びます。しかし、授業だけでは十分に理解できない子どもも少なくありません。助詞を使いこなすためには、どの言葉を選んで表現するのが適切であるかを学習していくことが重要です。これまでは、国語ドリルなどを通して助詞の使い方を学習することが主流でしたが、そういった学習の中でプログラミングを活用した事例があります。
「ねこ( )ねずみ( )おいかける。」
「わたし( )ボール( )かご( )なげた。」
という例文があり、()に入る助詞を「は」「を」「が」「に」から選ぶと、その場面を現したイラストが表示されるプログラムを利用した授業です。
例えば、「わたし(に)ボール(が)かご(を)なげた。」という選択をした場合と、「わたし(は)ボール(を)かご(に)なげた。」という選び方をした場合とでは表示されるイラストが変わります。どのように文字を組み合わせれば自分がイメージする場面になるか、試行錯誤を繰り返しながら、助詞の正しい使い方について理解してもらうことが狙いです。
算数:正多角形をプログラムで描く(高学年)
算数の授業で、正多角形の作図を行う学習に関連した事例を紹介します。
小学校5~6年生にもなると、円を描いて、中心の角を等分する方法で正多角形を書くことはすでに学習済みです。正方形や正三角形ならこの方法で上手に描くことができますが、辺の数を増やして正六角形、正八角形になると、線が多くてなかなか描くのが大変ですよね。
そこで、プログラミング環境を利用して、どのようにしたらカンタンに正多角形を描くことができるかを考えさせるのです。先生が「このようにプログラムを書けば正多角形がかけます」と説明したのをそのまま覚えるのではなく、「どのようなプログラムを書いたら正多角形がかけるかを考える」ことが狙いです。実際に手書きで作図する場合は、定規の角度や分度器のズレに意識が向いてしまうかもしれませんが、プログラミング環境を使うことで「正多角形の内角じゃなくて、外角を使った方が効率良いのかも?」という気づきが得られやすくなります。
このように子どもが自分で考えながら、プログラミング的思考を育むプログラミング教育が、今後算数の授業で取り入れられていくのではないでしょうか。
図画工作:自分で作った工作を動かす(高学年)
図工の時間に、子どもたちが自分で作った工作に、動きセンサーやライト、音などの効果を付ける形で、プログラミング教育を取り入れている事例もあります。段ボールなどで、動物や乗り物などの好きなものを作るだけでなく、
- その作品をどう動かしたいか?(光らせる?動かす?音を出す?)
- イメージ通りの動き方をさせるためには何が必要か?(何が必要になる?どこに設置する?)
- どのようなタイミングで動かしたいか?(手にもって動かしたとき?光を感知したとき?)
を、子どもたちが想像力を働かせて工作を進め、どのように改善すれば自分のイメージ通りになるのかを考えながら作り、作り変えて、完成させていきます。このような授業を通して、子どもが論理的に考える力を伸ばしつつ、図画工作の学びを深めることにつなげられると期待されています。
プログラミングが小学校で必修化はまだ始まったばかりで、学校の先生もどのように取り入れていくのか、いろいろとトライしている状況だと思います。3教科での取り組み例を紹介しましたが、小学校におけるプログラミング教育の大切なポイントは「プログラミング体験そのものを目的としない」ことです。あくまでも各教科の目標や内容が学習できることを前提に、子どもの試行錯誤やロジカル思考の強化を通して学習をさらに充実させるための「手段」であると考え、お子さまの「プログラミング授業」に備えていきましょう。
論理的な思考を育てるなら!ヒューマンアカデミー|ロボット教室
ヒューマンアカデミーロボット教室は、全国1500教室以上で開講しています。
こども達の純粋な好奇心を入り口としたロボット製作を通じ「自分で考え自分で成し遂げる力」を育む教室です。ただいま体験授業開催中!