2020年度、小学校の「学び」はこう変わります。|こども教育総合研究所
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2020年度、小学校の「学び」はこう変わります。

2019/09/30

変化の著しい時代に合わせるため、学習指導要領はおおよそ10年ごとに改訂を続けてきました。そこで、2020年の改訂では、何がどう変わるのか?いま話題のプログラミングは、どのようにして授業に取り入れられるのか?をご紹介していきます。


2020年 学習指導要領はどう変わる?

学習指導要領を定期的に改訂するのは、グローバル化や急速なIT化、技術革新など、目まぐるしい社会の変化を見据えて、子どもたちの将来に必要な資質や能力について見直す必要があるためです。例えば平成では、3回の大きな改訂がありました。

  • 1989年(平成元年)
    ”社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成”を目指して「生活科」の新設、「道徳教育」を拡充

  • 1998~1999年(平成10~11年)
    ”基礎・基本を確実に身につけさせ、自ら学び自ら考える力などの[生きる力]”の育成として、「総合的な学習の時間」を新設

  • 2008~2009年(平成20~21年)
    ”「生きる力」の育成、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランス”で、授業時数の増、指導内容の充実、小学校外国語活動の導入

前回の改訂からおおよそ10年が経った今回の改訂では、” 「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つが大きな柱になっています。また、新しくプログラミング学習を盛り込むことにも注目が集まっています。


小学校での外国語教育本格化とプログラミング必修化

今回の学習指導要領の改訂が目指すものはわかりましたが、具体的にどこに注力していくのか、変更点の一部をご紹介します。(政府広報オンラインより)

  1. 言語能力の育成
    言語能力はすべての学習の基盤となる力です。国語だけでなく他の教科等でも、レポートの作成や議論などの言語活動を行い、教育課程全体を通じて言葉の力を育みます。
  2. 外国語教育
    小学校3・4年で「外国語活動」が、小学校5・6年で教科としての「外国語(英語)」が導入されます。高等学校卒業までに外国語でコミュニケーションできるようになることを目指し、「聞く」「話す」「読む」「書く」の力を総合的に育みます。
  3. プログラミング教育
    小学校では「プログラミング教育」が必修化されます。コンピュータに意図した処理を行わせるための論理的な思考力「プログラミング的思考」などを育みます。また、中学校においてプログラミングに関する内容を充実するとともに、高等学校では必履修科目「情報Ⅰ」を新設し、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワークやデータベースの基礎などについて学習します。
  4. 理数教育の充実
    観察・実験などによる科学的に探究する学習活動や、データを分析して課題を解決するための統計教育を充実します。
  5. 道徳教育
    様々な課題に「自分ならどうするか」と向き合い、自分とは異なる意見をもつ他者と議論する授業などを通じて道徳性を育みます。小・中学校では「特別の教科 道徳」が新設されます。
  6. 伝統や文化に関する教育
    我が国や郷土が育んできた日本の伝統や文化を学び、理解をします。

このほかにも、「体験活動」「起業に関する教育」「金融教育」「防災・安全教育」「国土に関する教育」などの充実が図られます。

学習指導要領の改訂に関わる範囲は、教科や理系・文系を問わず多岐にわたりますが、その中でも最も重要視すべきは「プログラミング教育」です。小学校教育では平成元年に、「コンピュータ等に慣れ親しませること」という方針が打ち立てられてから、コンピュータを使った文字入力や、情報モラルを身につけさせることに重点が置かれていました。しかし、今回初めて「プログラミング教育」に焦点があたり、コンピュータに慣れ親しむだけではなく、子どもの「プログラミング的思考」を育成することが目標として掲げられたのです。

なぜ、「プログラミング的思考」が重要視され、小学校教育にも取り入れられようとしているのでしょうか?それは、急速に進むグローバル化やIT化と切り離せない関係にあります。

日本国内の人口が減少し、少子高齢化が進むなかで、現在社会に出ている大人はもちろんのこと、これから社会に出る子どもたちは、日本だけを見据えた人生設計から、よりグローバルな生き方が求められていくことは想像に難くありません。日本国内の人口が減り続け、産業労働人口が不足し、働き手として外国人労働者が多く流入することで、現在の子どもたちはそういった世界的な人材と競い合っていくことになります。その際に、指示された仕事をただこなすだけでは、国際的に活躍する人材にはなれないのではないでしょうか?また、AIの台頭によって、数十年後も残り続ける仕事が限定されていることも、広く知られるようになりました。これまでの事務作業やルーティーンワークをAIが担っていく社会で、人間にしかできない分野で活躍するためには、どうすればいいのでしょうか?そういった場面で必要となるのが、まさに「プログラミング的思考」なのです。

「プログラミング教育」では、プログラムを組む、プログラマーの育成を目指しているのではなく、「プログラミング的思考」ができる人材を育てることをゴールとしています。「プログラミング的思考」とは、“自分の意図するゴールや活動を実現するために、どのような動きが必要かを考え、それらをどのように組み合わせたらいいのかを論理的に考える力”のとこを言います。つまり、「物事を正しく分類する力」「要素の組み合わせ・関係性を考える力」の2つが、「プログラミング的思考」には必要不可欠です。

「プログラミング的思考」が身につくことで、自分の持っている目標やゴールに向かって、どういった手順を踏むべきかがわかり、従来の指示された仕事だけをこなすような仕事以外の働き方が見えてきます。また、プログラミング的な考え方ができることで、今後さらに重要性を増す「AIを使いこなせる人材」にもなれるかもしれません。


これも、あれもプログラミング!

将来的に「プログラミング的思考」が重要であり、そのために子どものうちから「プログラミング」に親しむ必要性はわかりましたが、そうはいっても「プログラミング」について詳しく説明できる人はなかなかいません。しかしプログラミングは、プログラマーが書く難解なコードに限ったものではなく、プログラミングを活用したものは日常生活でも見つけることができます。プログラミングやプログラミング的思考を使った、身近なものの一例を紹介します。子どもと一緒に、プログラムで動いているものを見つけ、どのようなプログラムが組まれているのかを推理することで、ご家庭でも「プログラミング的思考」を伸ばすことが期待できるのではないでしょうか。

  • 格闘ゲーム

    「Aボタンを押すと、攻撃ができる」だとか、「十字キーの右を押すと、右に動く」と言う具合に、プログラムが組まれています。また、ゲームの中での動きや映像は全てプログラムによって書かれています。

  • 自動販売機

    「買いたい商品の値段以上のお金を入れる(150円の飲み物なら200円など)と、200円以下の商品のボタンが光る」であったり、「光ったボタンを押すと商品とおつりが出てくる」ようにプログラムが組まれています。

2020年の学習指導要領改訂に向けて、家庭でできる準備や心構えとして、外国語に親しむだけでなく、身近な機械や物事が、なぜそのような動きをしているのか?を子どもと一緒に考えてみるのも面白いかもしれません。プログラミング的思考を身につけた子どもたちが、どんな未来を見せてくれるのか今から楽しみですね。


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