変わりゆく水

いよいよ冬の寒さが本格的になってきました。
冬は気温が下がるため、吐く息が白くなったり雪が降ったりと、さまざまな姿に変化した「水」を身近に感じることができます。
ということで、今回は「姿を変える水」に注目してみましょう。

変わりゆく水

ドライアイス

ドライアイスから出てくる白い煙のようなものの正体は、何?
  1. 二酸化炭素
  2. 実は…湯気
プリンセスリカ

私は「サイエンス」のせかいのプリンセス「リカ」よ。
クイズの答えはわかったかしら?
正解は、 2.水 でした!
ちょっと、意外な結果だったかしら?
ここからは、先生に教えてもらいましょう。

先生

皆さんもご存知の通り、ドライアイスは二酸化炭素(炭酸ガス)を特別な方法で凍らせたもの。
ドライアイスが二酸化炭素に変わるとき、空気中の水蒸気がドライアイスによって冷やされます。
冷やされた水蒸気が氷や水の粒になったもの、それがドライアイスから出ているように見える白い煙の正体なのです。
だから、正確にはクイズの答えは「水蒸気が冷やされて、氷や水の粒になったもの」になります。

プリンセスリカ

そうだったのね。知らなかったわ!

水の状態変化

先生

このように、同じ物質が固体・気体・液体と、状態を変えていくことを「状態変化」といいます。
学校の授業でもよく耳にした言葉なのではないでしょうか。
ちなみに、ドライアイスのように固体から気体に変わる変化のことを「昇華(しょうか)」といいます。

状態変化を身近に感じやすいのは、やはり水ですね。
液体のときは「水」、気体になったら「水蒸気」、固体になったら「氷」など、それぞれ姿を変えています。
水を凍らせたら氷になったり、水蒸気を冷やしたら水滴になったりする変化は日常でもよく見かけますね。
でも実は、水もドライアイスと同じように固体から気体に変化しています。
しかもその変化は、私たちの日常生活の「ある場所」でこっそりと起きているのです。
どこなのか分かりますか?

プリンセスリカ

私たちの身近に?どこかしら?

先生

その「ある場所」とは…、冷凍庫!
皆さんは冷凍庫で凍らせた氷が、いつの間にか小さくなっていた…なんていう経験はありませんか?
凍らせた氷を冷凍庫の中でずーっと放っておくと…
表面から少しずつ水の分子が逃げだして、氷が小さくなっていくのです。
これも固体から気体に変わっているので、ドライアイスの変化と同様「昇華(しょうか)」になります。
ずーっと冷凍庫に眠っていた氷、たまに使おうと思って冷凍庫を開けたとき、小さくなっていても怒らないであげてくださいね。
それは、しょうか(が)ないんですから…。(昇華)

氷

プリンセスリカ

(笑)

氷・水・水蒸気を比べてみると

先生

気を取り直して、水の状態変化である、氷・水・水蒸気をそれぞれ比べてみましょう。
まずは大きさ(体積)です。
水が氷に変化すると約10%かさが増えて、体積が大きくなります。
製氷機で氷を作る時、できた氷は入れた水よりも少し表面が盛り上がって見えますね。
水から水蒸気に変化するときには、なんと体積は約1700倍にもなるとか。

プリンセスリカ

すごいわね!

先生

今度は、重さ(密度)で比べてみましょう。
水蒸気が水よりも軽いことは想像できますが、では一番重いのはどんな状態のときでしょうか。
様々な水の状態の中で一番重いのは、実は「約4℃の水」なのです。
冬になり気温の低下とともに、池の水は約4℃に向かって下がっていき、どんどん重くなります。
重くなると水中の下の方に移動しますが、約4℃より低くなると今度は軽くなり上に留まります。
そうして、水面から凍っていくのです。

プリンセスリカ

なるほど、そういうことなのね!

先生

変化して、形を変えて、また戻ってくる水。
液体として柔らかに流れ出ることもできれば、固体となって強固な力を手に入れることもできる。
また、気体になってどこまでも旅をすることもできる。
水は姿かたちを変えながら、その変化をまるで楽しんでいるようですね。
私たち人間も、生活の変化や成長を恐れず変わってみたら、今までに見えなかった景色に出会うことができるかもしれません。

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