見えない空気の大きな力
でも目に見えるわけではないから、ついついその存在を忘れてしまいがちになっているかも?
今回は、そんな「見えない空気」の大きなパワーに注目していきましょう。
見えない空気の大きな力
ほぼ真空状態になったとき、マシュマロの大きさはどうなっているでしょうか?
- 大きくなっている
- 小さくなっている
- 大きさは変わらない
私は「サイエンス」のせかいのプリンセス「リカ」よ。
クイズの答えはわかったかしら?
正解は、
1.大きくなっている
でした!
ここからは、先生に教えてもらいましょう。
大気圧の仕組みとは
早速ですが、こちらの実験結果をご覧ください。
まあ!マシュマロが大きくなっているわ!
そうです。なんと、真空器に入れて周りの空気を抜いたマシュマロは、大きくなってしまうのです!
ちょっと驚きの結果だったでしょうか。
ちなみに真空器から取り出すと、また元の大きさに戻ります。
どういう仕組みなのかしら?
これには「空気」が大きく関係しています。
容器の中にはもともと空気が入っていて、外側からマシュマロを押す力がはたらいていました。
でも、その空気が少しずつなくなっていくと、外から押す力も弱まってきます。
そうなると、今度はマシュマロの中の空気が「よっしゃー」と羽根を伸ばすかのように、内側から押す力が強くなります。
その力でマシュマロ自体が大きくなった、というわけです。
なるほど!
この「外側の空気(大気)が押す力」のことを「大気圧」といいます。
同じように、みなさんの体も知らず知らずのうちに大気圧を受けています。
飛行機に袋菓子を持ちこむと空の上ではその袋がパンパンに膨らむ…というのも、大気圧が関係しています。
そういえば、見たことがあるかも…
気圧といえば、私たちの身近なところだと「台風」にも関係があります。
台風は、最大風速が約17m/sを超えたもののことを言います。
これは一般道路の自動車の速度(時速60㎞)と同じくらいになります。
ちなみに、台風は地域によって呼び方が異なることはご存知でしょうか?
南半球のオーストラリア付近では「サイクロン」、北アメリカでは「ハリケーン」と呼ばれています。
ニュースで聞いたことがあるわ!
台風は、そもそもどこでどのように生まれているのでしょうか。
台風は湿った空気がたくさんある熱帯地域の温かい海の上で生まれます。
日本に来る台風でいうと、南シナ海、フィリピンあたりで産声をあげます。
湿った空気が上に昇っていくことで、積乱雲(上昇気流の影響で、上にぐんぐん伸びる雲)が発生します。
そのあと次々とできた積乱雲が合体していくことで、雲が渦を巻き始めます。
これが、台風の赤ちゃんである「熱帯低気圧」です。
熱帯低気圧は、移動していくにつれ湿った空気を巻き込み続け成長し、やがて立派な台風になります。
こうして成長した台風が日本列島に到着するわけです。
その後は、日本列島を北上していくうちに冷たい空気も巻き込んで勢力が弱まっていきます。
こうなると、もう台風ではなく「温帯低気圧」という名前で呼ばれ、台風とは違った低気圧になるのです。
私たちを困らせる台風の一生とはそんな感じなのね。
私たちの命を繋いでくれている空気。
しかし、その空気が押す力やそこから生まれる力は脅威となりうるものです。
台風のような自然現象をコントロールすることはできませんが、少しでもその自然と仲良くするために、そのメカニズムを知っておきたいものですね。