小学生の放課後の過ごし方とは?保護者の悩みや有効な時間にするポイントを解説
2025/05/14
保護者にとって悩みの種となりやすい放課後の過ごし方ですが、子どもの成長に合わせて計画的に子どもの好奇心を育てていく機会になるとよいでしょう。また、小学生と一口に言っても小学生の放課後の過ごし方は、子どもの成長に大きく影響します。この記事では保護者の悩み、学年別の過ごし方の違い、そして有効な時間にするためのポイントを解説し、具体的な過ごし方の例を交えて保護者と子どもをサポートするためのヒントを紹介します。
小学生の放課後の過ごし方とは?
小学校の授業が終わった放課後は、子どもにとっての自由時間。しかしとくに共働き家庭では「小1の壁」とも呼ばれるように、子どもをどう過ごさせるかが悩みどころです。ここでは現代の小学生の放課後の過ごし方をまとめました。
学童保育
共働き家庭やひとり親家庭など、保護者が仕事などで日中家にいない小学生を対象としたサービスです。自治体が運営する公立のものと民間経営のものがあり、事前申し込みが必要です。公立施設の一部や専用の施設で多学年の子どもを預かり、宿題をしたり、遊んだり、工作やゲームなどのレクリエーション活動をしたりとさまざまな活動をして過ごします。また子どもの栄養のため、年齢や時間に応じておやつが提供されることもあります。学童指導員をはじめとする大人の目もあり安心なうえ、異なる学年の子どもとも交流ができます。
学習塾
学校の授業の予習・復習、学習習慣の定着のためや、とくに高学年からは中学受験対策などで学習塾に通う子どもも増加しています。塾では授業形式で指導を受けたり、マンツーマンの個別指導で苦手科目に集中したりするほか、宿題やテスト対策など家庭学習のサポートも行われます。各教科の専門知識を持った講師から指導を受けられ、また同じ目的を持つ同級生との交流で意欲を高めることもできます。塾ごとにも雰囲気や重視する点が異なるため、子どもに合った場所を選ぶのも大切です。
習い事・地域活動
学習塾以外にも、スポーツ・音楽・プログラミング・英語・絵画など、習い事の種類は多岐にわたります。曜日ごとに複数の習い事に通う子どももいて、興味や才能を伸ばしたり、学校以外の仲間や居場所作りのチャンスになったりする役割もあります。また民間の教室に限らず、地域のスポーツ団体やクラブ活動に参加する子どももいます。さらに地域の伝統行事を体験したり参加したりする活動もあり、地域の文化を知って住民との交流の場にもなります。ここでも試合や発表会などの機会を目指して、目標に向かう努力と達成感を得ることができます。
公園や児童館、友達の家で遊ぶ
昔も今も、友達と集まって遊ぶことは小学生にとって一般的な放課後の過ごし方のひとつです。友達と一緒にゲームをしたり宿題をしたりすることでコミュニケーション能力や協調性を育み、体を動かすことで子どもたちの体力や運動能力を高めます。ただし安全上の理由から、地域によっては子どもだけで遊ぶことが制限される場合もあります。
自宅や親戚の家で過ごす
自宅や親戚宅で過ごす時間も、子どもにとって大切な時間です。宿題や学校の授業の予習・復習のほか、最近ではオンライン学習を活用して質の高い学習を受けることもできます。また、自分のペースでリラックスして余暇を過ごすことは欠かせません。ゲームや動画視聴、読書など、勉強や習い事の合間にも趣味に没頭できる時間を取るといいでしょう。
小学生の放課後の過ごし方で保護者が感じている悩み
家庭の状況や子どもの好みによって、放課後の過ごし方は多種多様です。しかしどのような 過ごし方を選んでも、保護者としては悩みが尽きません。その一部を以下に紹介します。
安全の確保
何よりも優先されるのが子どもの安全です。共働き家庭など、放課後に子どもだけで留守番をさせることに不安を感じる保護者は少なくありません。また子どもだけで公園や友達の家で遊ばせることについても、不審者や交通事故など、事件や事故に巻き込まれる可能性があります。とくに低学年の子どもはまだ判断能力や危機回避能力が十分に発達していないため、子どもだけで行動させるのは安全とはいえないでしょう。地域環境の安全性も重要な要素であり、安心して子どもだけで遊べる場所が少なかったり、交通量や治安に不安があったりと、屋外屋内を問わず安全策を講じる必要があります。また学童保育を希望しても、受け入れ人数や子どもに合わないなどの問題で利用ができない場合もあり、苦労している保護者は少なくありません。
子どもや親同士の交友関係
子どもが友達と過ごす場合、うまく付き合えているか、いじめなどに遭っていないかなども気がかりです。友達とのトラブルや遊びの時間に関する約束事など、親としてどこまで介入すべきかという線引きも難しいところです。
また子どもたちだけで過ごすことになる場合は、不適切な行動をとっていないか、何らかの加害者や被害者になっていないか、オンラインでのトラブルに巻き込まれていないかといった悩みも深刻です。さらに子どもが友達の家へ遊びに行く際、相手の保護者に任せきりになってしまうなど、他の家庭に迷惑をかけていないかという配慮も必要になります。
学習面での不安
はじめは自宅で学習していても、高学年になるにつれて学習内容が高度化し、家庭学習だけでは困難を感じる保護者が増えています。とくに中学受験を視野に入れた場合、学習塾への通塾は時間的、精神的、そして経済的な負担を大きくします。塾の費用、教材費、模擬試験代などは家計を圧迫し、経済的な理由で子どもに十分な教育機会を与えられないことに悩む保護者も少なくありません。
また子どもの学習意欲を引き出して家庭学習の習慣を定着させることの難しさも、多くの保護者が抱える共通の課題です。学習塾に通わせることで一定の学習効果は期待できるものの、それに伴う経済的な負担は無視できません。このように小学生の学習に関する悩みは経済的な問題とも密接に関連しており、多くの保護者がこれらの課題に直面しています。
時間の使い方
現代に限らずゲームやスマートフォンなどのデジタル機器は、子ども達にとって魅力的です。だからこそ、それに依存・没頭してしまうことはいつの時代も保護者の悩みの種です。長時間デジタル機器を使用することは、学力や視力への影響だけでなく、運動不足やコミュニケーション能力の低下につながる可能性があります。またその一方で、習い事や塾通いで忙しく、子どもにとって自由な時間が少なくなってしまうことも問題です。子どもには自分で好きなことに時間を使ったり、友達と遊んだりする時間も必要です。多くの保護者は子どもの自主性を尊重しつつ、どのように時間を管理させるかというバランスに悩んでいます。また子どもが自宅でダラダラと過ごしてしまうことや生活習慣の乱れも、どうやってメリハリをつけるかが悩みどころです。

小学生の放課後の過ごし方は学年により変化
小学生と一口に言ってもその範囲は6歳から12歳と幅広く、放課後の過ごし方は学年が上がるにつれて大きく変化します。ここでは年代ごとの違いを紹介します。
低学年の場合
・学童保育
低学年のうちはやはり大人の目の届く範囲で行動してほしいという親の思いから、学童保育に通う子どもが多数です。比較的早く授業が終わるため、長い放課後時間を充実させるために学童保育サービスでは季節のイベントやレクリエーションなどそれぞれに工夫をしています。もちろんそのなかで宿題をしたり、友達と遊んだりといった習慣を身につけることも役割のひとつです。
・習い事
低学年のうちからスイミング、体操、ピアノなど基礎的な習い事に通いはじめる子どももいます。といっても将来に向けて専門的な技能を学ぶ子どもはごく一部で、新しい世界に触れることや汎用的な体力づくりのために始める場合が一般的です。低学年での習い事は、子どもが楽しめる、学校以外の居場所や授業以外のモチベーションをつくるといった点が重視されることが多いです。
高学年の場合
・学習塾
学習内容の高度化や中学校受験などに向けて、学年が上がるにつれて学習塾に通いはじめる子どもが増えます。難関中学を目指すだけでなく、苦手な科目を重点的に克服することや、学習習慣をつけるといった目的での通塾も一般的です。家庭での学習と比べてメリハリがつきやすい、専門的な質問ができる、自習室を利用できるといったメリットがあります。また、近年小学校で導入されたプログラミングや英語に特化した塾もあります。
・自宅で過ごす
高学年になると判断力や自律力も高まり、自宅である程度自由に過ごす子どもも多くなります。宿題や自宅学習と、趣味やリラックスの時間を切り替えられるようになれば理想的です。またインターネット環境の普及により、自宅に居ながらオンライン学習を受けたり、オンラインゲームで友達と遊んだりという過ごし方も広がっています。
まとめ
小学生が放課後の時間をどう過ごすかは、子どもの成長にとって重要な要素であり、いつの時代も保護者にとっても悩みの種になりやすいものです。しかし子どもの性格や成長に合わせて適切な過ごし方を計画・選択することで、放課後の時間をより有意義で楽しいものにできるでしょう。この記事で紹介したポイントを、子どもたちが安全かつ充実した放課後を過ごすための参考にしてみてください。