子どもの想像力を鍛える方法とは?足りないとどうなる?起こりがちなトラブルを解説|こども教育総合研究所
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子どもの可能性を無限に広げる「想像力」。その重要性は理解していても、具体的にどう伸ばせば良いか悩む保護者の方へ、子どもの想像力不足が引き起こす可能性のあるトラブルから想像力を鍛える効果的な方法まで詳しく解説します。

そもそも想像力とは?

想像力とは自分自身がまだ経験していないこと、現実には存在しないものを心の内に描き出す能力です。それは過去の経験や知識をもとに新しいイメージやアイデアを考えうる力であり、未来や異なる状況を想定してさまざまな可能性を思い描く力でもあります。想像力は芸術・科学・ビジネス・日常生活など多岐にわたる分野で重要となる能力です。また他者の感情や状況を理解し共感する力も、想像力の重要な側面のひとつです。

想像力と似た言葉に「創造力」がありますが、想像力は心にイメージを描く能力であるのに対し、創造力は実際に新しいものを生み出す能力を指します。つまり想像力は、創造力の基盤となる能力といえるでしょう。

想像力が足りない子どもが起こしやすいトラブル

想像力が十分に発達していない場合、子どもたちはさまざまなトラブルに遭遇する可能性があります。その結果、社会生活を送る上で大切な能力の発達を妨げ、将来的な自立を困難にする可能性があります。

対人関係がうまくいかない

想像力は他者の視点を理解する能力でもあり、これが欠如すると、自分の言動が相手にどのような影響を与えるかを予測しにくくなります。例えば相手の気持ちや状況を想像できず、無神経な言動をしてしまいがちです。さらに暗黙のルールや言葉の裏にある感情を理解することが難しいため、コミュニケーションにおいて相手との意思疎通がスムーズにいかず、誤解や対立を招くことがあります。

学習内容が身につきづらい

想像力の不足は学習内容への興味や理解を妨げ、柔軟な思考を妨げます。抽象的な概念や未知の事柄に対する興味を持ちにくいため、学習意欲が低下することがあります。とくに物語や歴史などの学習では、登場人物の心情や背景を想像することが難しく、内容を理解するのに苦労することが少なくありません。また思考の柔軟性が不足することで問題解決能力が低下し、さまざまな可能性を想定して解決策を見つけることを困難にします。学業上での想像力の不足は抽象的な概念の理解を苦手とするため、算数や数学の文章問題や国語の読解問題などで問題を抱える場合があります。

社会性の欠如

日常生活においても、想像力の不足は未来の状況を予測したり変化に適応したりする能力を低下させ、さまざまなトラブルの原因となります。行動の結果を想像できないため、危険な行動をとりやすく、怪我や事故につながることがあります。ルールや約束の必要性を理解できず、重要性を想像できないため、違反や約束破りをしてしまうかもしれません。予想外の事態や環境の変化に順応できず、学校や社会生活に馴染むことが難しい場合があります。

感情のコントロールが難しくなる

想像力が不足すると、自他の感情の機微を理解したり適切な感情表現をイメージしたりする能力を著しく低下させます。そのため感情表現に偏りが生じ、喜び、悲しみ、怒りなどの感情のバリエーションが乏しくなることがあります。また少しの不満でかんしゃくを起こしたり、悲しい時に適切な表現ができなかったりと感情のコントロールが難しくなります。

新しい挑戦が苦手

想像力が不足すると自分の能力や可能性をイメージしにくいため、自己肯定感が低くなりがちです。なにか新しいことにチャレンジするときも、自分にはできないと思い込んで挑戦することなくあきらめ、変化を避ける傾向があります。そのため過去の経験や知識に基づいて行動することを好み、新しいアイデアや方法を受け入れることに苦手意識がついてしまうのです。その結果として成長の機会を逃したり、周囲からの疎外感を感じたりすることがあります。

想像力を鍛える方法

子どもたちにとって欠かすことのできない想像力は、実際の体験を通して鍛えられます。ここでは想像力を効果的に育むために親がサポートできる方法を紹介します。

「好き」を大切にする

子どもが興味を持っていること・好きなことに没頭する時間を十分に与えることは、子どもの想像力を大きく伸ばすうえでも非常に重要です。子どもが好きな遊びや活動に積極的に参加し、家族や仲間と共に楽しむことで、さらなる探求心と想像力を育みます。また興味の対象を一緒に調べたり観察したりすることで探求の方法を学び、自分の世界を広げる楽しさを感じられるでしょう。子どもの「好き」を大切にすることは、子どもが自分なりに自分の中の感情や個性を育み、興味を追求する力を育てることにつながります。

日常の中での発見

会話の中で子どもに質問をする際に「もし○○だったらどうなるかな?」「なぜ○○だと思う?」のように、子どもの答えられそうな範囲での問いかけを意識することも効果的です。それに答えようとする過程で、子どもたちは日常の出来事に対して多角的な視点を持つようになります。また日常生活の中でも子どもと物語を作ったり、役割を持ったごっこ遊びをしたりすることは、子どもたちの創造性や表現力を育む楽しい活動です。例えば買い物中に見かけた木や動物について物語を作ったり、日常生活で起こった出来事を思い出して演じたりすることで、子どもたちは日常を新たな視点から捉えることができ、想像力が刺激されます。

絵本の読み聞かせ

絵本は、視覚と聴覚の両方から子どもの想像力を育てます。読み聞かせの際には、登場人物の感情を尋ねたり、物語の背景について質問したりすることで、情報を与えられるだけでなく考える力を鍛えることができるでしょう。また「もし主人公が別の選択をしたらどうなっただろう?」「このあと、物語はどう続くと思う?」といった問いかけをすることで子どもたちの思考を刺激し、物語の中だけにとどまらない自由な発想を促します。

自然に触れる

公園、森、海などの自然環境は子どもの五感をダイレクトに刺激し、豊かな想像力を育む宝庫です。自然の中で見つけた葉っぱや小枝、石などを使っての工作は、子どもたちの空間認識能力や創造性を育むためにとても効果的です。また自然の中で自由に動き回ることは子どもたちの好奇心や探求心を刺激し、自分で新しい発見をする喜びを体験させることがさらなる想像力の糧となります。

多様な体験をする

旅行や地域イベントへの参加は、日常生活では得られない刺激を子どもたちに与え、世界観を大きく広げる効果があります。普段とは異なる環境・景色や、その地域ならではの体験など、文化や価値観に触れることで子どもたちの固定概念を打ち破り、物事を多角的に捉える柔軟な思考力を養います。多様な体験や人とのふれあいを通じて子どもたちは異なる視点や考え方に触れ、それが豊かな想像力の源泉となります。電車やバスに乗ったり、いつもの食事とは違うものを食べたりという行動も、子どもたちにとっては新鮮な体験となり新たな世界を広げます。

アートに触れる

絵を描く、音楽を聴く、ダンスをするなどの芸術活動は、子どもたちの感性を多角的に刺激し、自己表現の手段を豊かにします。最初は何かをまねてみたり、塗り絵を好きな色に塗ってみたりといったことで構いません。また美術館や博物館で幅広い芸術作品を鑑賞することは、多様な表現方法に触れる機会となります。「どのオブジェが強そうかな?」「ここに描かれているのはなんだろう?」といった会話で作品に思いをはせるのもいいでしょう。自分の作品を表現すること、他者の作品を観察して考えることでも想像力は鍛えられます。

物語を創作する

親子でお話作りをすることは、子どもたちの創造力や言語能力を育む素晴らしい機会となります。少し難しく聞こえるかもしれませんが、日常で起こった出来事やペットなど身近な話題を起点にするのも有効です。例えば「ある日○○ちゃんが公園に行くと」と親が話し始め、子どもが続きを話すなど、交代しながら物語を紡ぎ出すことでお話を創りだすことができます。多少前後の展開がつながらなくても構いません。ときには物語の展開をサポートしたり、子どものアイデアに感想を伝えたりしましょう。珍しい動物や食べ物を登場させるのも、知識を広げるのに効果的です。お話作りのやりとりを通じて、子どもたちは物語の構造や展開を学び、自らの言葉で世界を創造する楽しさを体験できます。

想像力を鍛えることに関するよくある質問

子どもたちの無限の可能性を引き出す「想像力」。子どもの想像力に関するよくある質問とその答えをまとめました。

想像力豊かな子どもの特徴は?

想像力のあふれる子どもの特徴として、以下のようなものが挙げられます。

  • 独創的・個性的で独自の世界を持っている
  • 表現力と共感能力が高く、コミュニケーションが円滑
  • 好奇心旺盛で探究心が強い

このような個性は場合によっては周囲との摩擦を生むこともありますが、同時に周囲に新しい視点や刺激をもたらす貴重な存在ともいえるでしょう。

想像力を養う遊びは?

2歳からの幼児期、とくに効果的なのはごっこ遊びです。2〜3歳ごろはおもちゃを使っての「見立て遊び」が活発になり、積み木を車に見立てたり、空き箱を家に見立てたりする遊びからスタートすることが多いです。また親や大人の行動の真似を始めます。4〜6歳になると、さらに複雑な役割分担などで「ままごと」を楽しみ、社会性や想像力を育むようになります。

まとめ

子どもの想像力は、本人や周囲の未来を切り開く大切な能力です。遊びや体験を通してその力は磨かれ、創造性、問題解決能力、豊かな表現力を育みます。しかし情報過多な現代では、想像力が育ちにくい環境も発生しがちです。想像力が十分に育まれなければ、社会での生きづらさやトラブルの原因になる可能性もあります。だからこそ日々の生活の中で、子どもたちの「なぜ?」「もしも~だったら?」を大切に、自由に表現できる時間と空間を与えてあげましょう。

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執筆:ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所 編集部

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