4歳にぴったりな「遊び」とは?伸ばしたい力と遊びのアイデアをご紹介
2023/07/10
お子さまの一日で多くの時間を占める「あそび」時間ですが、どんな遊びを取り入れれば成長に効果があるかわからず、困っている方も多いのではないでしょうか?
一般的に、4歳児は好奇心旺盛で活発に遊びたい時期です。4歳の心身の成長を促せるような遊びを積極的に取り入れることで、お子さまの力を伸ばすことができます。
この記事では、4歳児の時期に遊びを通して伸びる力や、発達につながる遊びのアイデアをご紹介します。
4歳児の遊びで伸長が期待できる5つの発達とは
就学前の子どもは、遊びを通して心身ともに発達が進んでいきます。4歳児が遊びを通して伸ばせる発達は次の5つです。
身体的発達
身長・体重の増加はもちろん、体を使った遊びを通して筋力や運動能力が向上していきます。バランス感覚や手先の器用さなども向上するため、遊びの幅が広がっていく時期です。
ブランコの立ち乗りができるようになったり、ハサミで簡単な形を切ったりすることなどが一人でできるようになります。また、体が発達することで食事や着替え、歯磨きなど、自分の身の回りのことに関する生活力も向上していきます。
語彙力と言語発達
人との会話はもちろん、歌や絵本、子ども向けテレビ番組などを通して豊富な語彙を身に付けていきます。言語力も発達するため、新しい言葉やフレーズを覚えて使うだけでなく、2語文から3語文になるなど文章を組み立てる能力も向上する時期です。
多くの言葉を理解し、自分の意思や感情を言葉で表現することも可能になっていくことで、3歳のときよりもコミュニケーションが円滑にできることが増えるでしょう。「だって」「でも」などを使った、理由のある自己主張もするようになります。
社会的、感情的発達
他の子どもや大人との関わり・遊びを通して、関係性を少しずつ発展させることができるようになっていきます。表情やしぐさなどから他者の感情を理解できるようになるため、相手の気持ちに共感した行動が取れるようになっていく時期です。
友だちとの物の貸し借り、先生から注意されたことをすぐに止める、周りと協力して物事を進める、他人の困っている様子に気が付き手を貸したりなどもできるようになります。
認知的発達
4歳児は認知力が少しずつ身に付くことで、思考力、想像力や創造力の発達、記憶力の向上に加え、数字と数量の理解や言語と読み書きの力なども伸びていきます。自分と他人の区別や他者の気持ち、現在・過去・未来の時間軸なども理解できるようになっていく時期です。
物事の論理的思考力や、ルールや簡単な指示に従って行動する能力も向上していきます。ただし、4歳時期の論理的思考力は未発達のため、自分視点で見た考えになりがちです。
知識と好奇心
4歳児は好奇心も旺盛で吸収力が高いため、身の回りの物や動植物の名称など、日々の経験からさまざまなことを覚え知識を増やしていきます。また、既に知っている自分の知識と新しい情報を合わせてパターンを見出すことで、知識や感性を蓄えていくこともできる時期です。
「この積み木をこう積んだら、昨日乗った電車を作れるかな?」「今日は家の前に黄色いお花が咲いていたから、お絵描きの時間にお花も描いてみよう」といったように、新しく見たことや知ったことを取り入れて遊びを発展させる中で感性も育っていきます。
このような発達にともない身に付く力は、これからますます成長する子どもの役に立つため、幼いうちから伸ばしていくことが大切です。
4歳の発達領域を伸ばす遊びのアイデアをご紹介!
4歳の発達領域を伸ばすには具体的にどのような遊びがよいのか、それぞれの発達領域別に、おすすめの遊びのアイデアをご紹介します。
身体的発達
子どもの身体的発達を促すには、追いかけっこや水泳などがおすすめです。このようなスポーツ系の遊びは、心肺機能を高めることができるため成長によい影響を与えます。1時間程度歩くこともできるようになってくるため、保護者の方と一緒に散歩するのもよいでしょう。
また、地面を蹴って進む子ども用バイクやボール、ブランコなど、道具を使った運動は、物を使った動作やバランス感覚を養うのに最適です。自分で体の動かし方がわかるようになってくるため、片足ケンケンやスキップなども積極的に取り入れてみましょう。じゃんけんや競争など、4歳児でもわかるルールを設定するとより楽しめます。成功したらたくさん褒めてあげると、運動への自信にもつながります。
語彙力と言語発達
「赤いものといえば?」といった連想ゲームやしりとりなどの言葉遊びを通して、語彙を増やすことができます。道具がなくてもできるため、お風呂やご飯の支度をしながらなどでもできる遊びです。答えが毎回同じパターンになってしまう場合は、動物や食べ物、乗り物、植物などテーマを決めると、子どもの想像力を刺激することができます。
物の特徴(走るのが速い、食べると酸っぱいなど)を教えて何かを当ててもらう「私は誰でしょうゲーム」などは、保護者の方とのやり取りを通じて言語的能力を高めることができます。はじめは保護者の方がヒントをだし、慣れてきたら子どもにヒントをだしてもらい保護者の方が答えるようにするのもおすすめです。
社会的、感情的発達
家族ごっこやお医者さんごっこなどの「ごっこ遊び」は、シチュエーションを決めて役になりきることで社会的能力の向上が期待できます。自分以外の役になることで想像力や表現力が養われるだけでなく、協調性や観察力、ルールを守るなどの社会性を身につけることにも役立つため、積極的に取り入れたい遊びです。
保護者の方は子どものイメージする世界を大切にしながら一緒に楽しむことで、子どもの社会的・感情的発達を促すことができます。また、違う人の気持ちになってコミュニケーションするという意味では、劇なども感情的発達を刺激するのに役立つ方法です。好きなアニメなどのワンシーンを演じるのもいいですね。
認知的発達
ピアジェによって提唱された認知的発達には、知覚・記憶力・推理力・言語力など、さまざまな能力があります。0歳から11歳頃にかけて発達していく認知的発達の段階は、子どもによって個人差はあっても、成長順序は普遍的なものとされています。
4歳頃は、物事を自分のイメージを使って区別し、認識できるようになる時期であるため、認知的発達の中でも記憶力が伸びやすい時期です。記憶力を伸ばすには、神経衰弱などのトランプ遊びが適しています。トランプを使った遊びは、数字を同時に覚えられるのもメリットです。また、しりとりは記憶力の他に語彙力や言語力の向上にもつながります。絵本の読み聞かせも情操教育としてよいでしょう。
知識と好奇心
知育絵本や図鑑などを親子で一緒に読むと、知らない世界の知識を広げることができます。子どもが好きなジャンルに限らず、普段はあまり触れることがないジャンルの知育絵本や図鑑なども一緒に楽しんでみるとよいでしょう。
外遊びでは、公園などを探検して動植物を一緒に観察し「これは何ていう名前の花かな?」など話して興味を持たせるのも、子どもの好奇心をくすぐることができるかもしれません。家に帰ってから図鑑などで疑問を調べると、新たな知識を身につけることもできます。子どもの好きな図鑑を図書館で探すのもいいですね。
4歳時期の遊びを学びにつなげるなら、習いごともおすすめ
4歳時期の遊びを学びにつなげたい場合は、習いごとをするのもおすすめです。教室で先生や他の子どもたちと交流しながら学ぶことで、社会的発達が促されます。また、早いうちから始めることで、発達に必要な土台を育むことも期待できます。
習いごとの中でも、先生から受動的に教わるばかりではなく、対話をしながらインタラクティブなコミュニケーションが生まれるものは、大人との関係性を育む上でも効果的です。
特に、ものづくり系の習いごとは先生とのコミュニケーションが多いため、子どもの社会的発達を促すことに役立ちます。また、認知的発達・知識と好奇心・身体的発達・手先の器用さといった複合的な発達領域を伸ばせる可能性もあるため、遊びを学びにつなげるならものづくりの習いごとがおすすめです。