Society 5.0とは?未来の生活を考えてみよう!
2021/09/29
10年後や20年後の未来にどんな暮らしをしているか考えたことはありますか?情報技術の発達で生活はますます豊かになるなか、日本は「Society 5.0」と呼ばれる新しい社会を迎えようとしています。「Society 5.0」は耳馴染みのない言葉かもしれませんが、急速に変わりつつある現代社会において重要なキーワードの一つです。今回は、Society 5.0が何を意味するのか、これからの暮らしがどう変わるのか、をご紹介します。
Society 5.0とは?
Society 5.0は内閣府が推進する政策の一つで、「目指すべき未来社会の姿」として提唱されている社会システムの名前です。Society 5.0の社会は、私たちが暮らしている現実空間とさまざまな情報が行き交うサイバー空間をテクノロジーで融合し、日本経済の発展と社会課題の解決を両立する「人間中心の社会」のことを指します。
Society 5.0は、私たち人間がこれまで歩んできた社会の延長にある「新しい社会の形」として位置付けられています。これまでの社会は大きく4つに分けられており、いまの私たちは「Society 4.0」の情報社会で暮らしています。
- Society 1.0(狩猟社会)
人間が森や平原、海の生物を狩りながら生活していた原始的な社会
- Society 2.0(農耕社会)
大地を耕して畑を作り、イネや麦などの穀物や野菜を育てるなど農耕生活が中心の社会
- Society 3.0(工業社会)
蒸気機関の発明から始まった産業革命以降、機械製品や科学の発展で工業化が急速に進んだ社会
- Society 4.0(情報社会)
インターネットの普及や情報テクノロジーの発達により、世界中がネットワークで繋がり情報のやり取りができる社会
現在の情報社会は、スマートフォンの普及や最新のデジタルテクノロジーを取り入れた商品・サービスも広がっており、決して暮らしにくいわけではありません。Society 5.0の社会で、暮らしはどのように変わるのでしょうか?
Society 4.0 の課題とSociety 5.0への期待
現在のSociety 4.0(情報社会)では、現実世界のモノがインターネットでつながるIoT(Internet of Things)をはじめとした情報技術の普及でたくさんの情報が集めやすくなり、情報活用の機会が広がりました。しかし実際は情報を編集・分析するための人手が必要で、データを効率的に活用できていないのが課題となっています。
また、日本が抱える人口減少での働き手不足や高齢化での社会保障費の増加などを踏まえると、これからの社会では業界や分野を超えて知識や情報を共有し互いに連携することで解決することが求められています。
Society 5.0では、AIなどの最新のテクノロジーを上手く活用して、誰でも必要な情報に必要な時に得られるよう現実空間と情報の集まるサイバー空間をさらに密接に繋げた社会を目指しています。
Society 5.0で暮らしがどのように変わるのか、医療を例に紹介します。
医療・介護の現在の課題は…
・人の診察では病気の早期発見に限界がある
・健康寿命の伸長や高齢化で国の治療費負担額が増えている
・労働者人口の減少で医療・介護の人材不足が深刻になっている …など
医療・介護ではサーバー空間のどんな情報を活用できそう?
医療現場の情報、医療技術の情報、患者の計測データ …など
Society 5.0が実現すると医療・介護はどうなる?
・患者の情報を把握したロボットが介護の支援をする
・AIで健康診断が自動化、病気の早期発見で健康を促進する
・医療データを病院間で共有し、最適な治療法が導ける …など
Society 5.0でどんな課題が解決できる?
自動ロボットの介護で人材不足の解消に貢献できる
健康診断の自動化で医師不足や治療費削減に貢献できる
治療法の選択肢やリスクの精度があがり、健康寿命の増進に貢献できる …など
今回は現在の医療・介護の社会課題を例に紹介しましたが、Society 5.0が実現すると、農業や食品販売、防災などさまざまな分野での課題解決とより豊かな暮らしが期待されています。
Society 5.0に求められる人材は?
これからも、Society 5.0の実現に向けて社会は急速に変化していきます。いまの子どもたちがAIや機械にない強みを活かして、将来活躍するためにはどのような力が必要なのでしょうか?
- 文章や情報を正確に読み解く力
現在は、スマートフォンやSNSの普及で誰でも簡単に情報を探したり発信したりすることができます。しかし情報が溢れるあまり、自分で正しい情報とそうでない情報の区別や情報価値の判断ができず、トラブルや誤情報の拡散が起こってしまっています。
今後さらに情報社会が進化し、Society 5.0を迎えるに向けて、自分が得た情報を適切に読み解き、考え、判断するには、内容や意図を正しく読み解く読解力や情報の判断力が求められます。
- 科学的に考える力
AIで膨大なデータを材料に一つの結論を導き出すことが容易にできるようになりましたが、現代社会のすべての問題がAIで解決できるわけではありません。今後、私たちはAIで解決できない課題に向き合ったり、AIでは気づかない問題に取り組んだりしていかなければなりません。その時に必要なのが「科学的な考え方」です。
「科学的思考」とは与えられた条件や情報から仮説を推論し、実際に検証して確かめ、自分なりの考察をして結論を導き出す考え方のことです。物事を論理的に捉える科学的思考を身につけている人は、どんな困難な課題にも立ち向かう、豊かな暮らしを生み出すSociety 5.0に求められる人材です。
- 好奇心と探求心
これからのイノベーションを牽引するAIは論理的に答えを導きだすことができても、人間のように想像力や発想力を使いながら考えることはできません。AIに備わっていない能力だからこそ、これからの社会では独創性やクリエイティブ性が求められます。好奇心や探求心を高めておくことは、これまでにない発想やアイデアを思いつくきっかけにもなります。多種多様な体験をして子ども好奇心や探求心を刺激することが大切です。
未来の社会に向けて、今の子ども達に求められている力は、ITやテクノロジーの専門的な知見ではなく、そのすべての物事に共通する考え方や感性の土台になる部分です。学校での授業も大切ですが、家族や友人といる時は、このような非認知能力を磨くことを意識して過ごしてみてもいいかもしれません。
今回はSociety 5.0 をテーマに、これからの未来がどうなるか、子どもたちに求められる力がと一緒に紹介しました。目まぐるしく変わる社会に取り残さないために、Society5.0 で求められる能力が身につけられるSTEAM教育を学習に取り入れてみるのも一つの方法です。
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