【90人の保護者に聞きました】家庭でできる子どものやる気アップ術とは?五月病予防にも
2021/04/01
新学期は、進級・入学・卒業などお子さまの成長が実感できるタイミングでもありますね。新たな門出に希望を感じる一方で、子どもたちは新しい環境のなかでストレスを感じやすい時期かもしれません。新生活で頑張りすぎるあまり、子どもたちも気付かぬうちに、いわゆる「五月病」といった症状を抱えてしまうことも。
そこでこども総研では、お子さまのやる気についてのアンケート調査を実施し、「お子さまのやる気が下がるタイミング」や「保護者がお子さまのやる気アップのためにしている工夫」を調査しました。今回はこのアンケート結果を紐解きながら、お子さまの意欲が下がりやすい要因や、やる気をアップさせるためにご家庭でできる具体的な声かけや考え方をご紹介していきます。
子どもたち、そして保護者の皆さまも、頑張りすぎる前に「やる気アップのコツ」を理解して新生活に備えませんか?
子どもたちは「身の回りのこと」が苦手?
毎日の生活の中で、お子さまが何をしているときに「やる気のなさを感じる」ことが多いのでしょうか?保護者のかたへのアンケートの結果、「子どもが身の回りのことができていない時」にお子さまのやる気のなさを感じていることが多いと分かりました。朝なかなか起きてこない、自分の服や持ち物の整理整頓ができない、など親として「しっかりとした生活習慣を身につけた大人になってほしい」という思いがあるからこそ、余計にやる気のなさを感じやすいのかもしれません。
また、次に多いのが「家や学校で勉強をしているとき」。お子さまの学習意欲の低下に悩まれている保護者のかたも多いことが伺えます。
【質問】
どんな時にお子さまのやる気が「ない」と感じますか?
【回答】
・身の回りのことができないとき(40.91%)
・家や学校で勉強をしているとき(37.50%)
・習い事やスポーツをしているとき(4.55%)
・家でお手伝いをしているとき(4.55%)
・ない(2.27%)
・その他(10.23%)
※その他の回答例…食事中、苦手なことをする時、眠い時、動画を観ているとき
子どもたちのやる気が下がる理由
では、お子さまのやる気が下がってしまう要因にはどのようなものがあるのでしょうか?
幼児から小学生、中学生と年齢を重ねる間は、お子さまの心が大きく成長する過程です。そのため、大人が気付かない些細な言動や環境がきっかけで、お子さまのやる気が下がってしまうこともあります。だからこそ、保護者のかたはお子さまの「やる気ダウンの兆し」を察知して、サポートしてあげることが大事です。次にそれぞれの要因を紹介していきます。
- 自分の行動に自信が持てないから
お子さま自身が自分の行動に自信が持てないため、不安なあまりやる気を失ってしまうことがあります。宿題をしているはずなのに時間ばかり過ぎてなかなか問題が解けない、頼んでいたお手伝いが中途半端に終わっている、というように「完成形が分からない、理解できていない」ということも、自分の行動に自信が持てずに「やる気がなく見える」原因のひとつです。こうした場合は、保護者のかたや先生のような大人が「正しくできている」または「正しい理解を促す」ことをお子さまに伝えて、自信を持たせる必要があります。
- 他人と比較してしまうから
友達よりもテストの点数が悪かった、兄弟の中で整理整頓が得意ではない、などのように自分の成果や態度の善し悪しを他人と比べてしまうことで、やる気ダウンにつながることもあります。自分の努力や成果が他人よりも劣っていたり、比べた相手との差が大きすぎたりすることをお子さまが自覚すると、「どうせ頑張ってもできない」と余計ネガティブな気持ちが強くなり、諦めてしまいやすくなります。どんなに仲の良い友人がいたとしてもお子さまの成長を他の人と比べて評価するのはオススメできません。もちろん、保護者として指摘すべきところはあるかもしれませんが、その分その子の個性や得意とする部分を褒めてあげるように意識しましょう。
- 目標がないから
成績や順位のように自分の頑張りが数値化される時は、目標を立てやすく、実力を伸ばすために取り組めるお子さまが多いかもしれませんが、目標がないと努力のベクトルを失ってしまいがちです。また、目標が定まっていないと、達成感を感じることも少ないので、気持ちのメリハリがつかず、何をすればいいか迷ってしまったり、なかなか積極的に行動することができなかったり、ということがあるかもしれません。そんな時は本人が目標を立てやすいように手助けしてあげると良いでしょう。また、本人が「楽しい!」と感じることは積極的に行動することができるので、そういった経験を増やすことで行動にメリハリがつき、他の物事も楽しく取り組むことができるようになります。
子どものやる気を引き出すためにしていること
さて、お子さまにやる気がないと感じている時、そのまま放っておくわけにいかないことも多々ありますよね。そんな時、どうにかやる気が出るようにしたい、と工夫をされている保護者のかたも多いのではないでしょうか。こども総研で実施したアンケートでも、回答した90%近くの保護者のかたがお子さまのやる気をアップさせるために、ご家庭で何か取り組んだことがあるようです。
【質問】
お子さまのやる気をアップさせるために、ご家庭で何か試したことはありますか?
【回答】
・ある(90.9%)
・ない(9.1%)
では、お子さまのやる気を引き出すために、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
【アンケート結果】子どものやる気アップのために家でしていることとは?
お子さまのやる気を引き出すために、「成果を褒めて次への意欲を引き出す」や、「時間を区切る」「気分転換を促す」というようにお子さまの気持ちを高めたり、リフレッシュをさせたりすることでやる気が続くようにサポートしている保護者のかたが多いようです。お子さまが何かに取り組んでいるときは、目に見える形で応援したり、時には頑張りすぎて疲れてしまわないように調整してあげたり、とお子さまに合わせて様々なやる気アップの工夫をされていることが分かりました。
【質問】
お子さまのやる気をアップさせるために、どのようなことを試されていますか?
【回答】
・できたことをよく褒め、次のやる気につながるようにする(61.7%)
・時間を決めてメリハリをつける(51.9%)
・気分転換を促す(43.2%)
・頑張ってできたら与えるごほうびを用意して励ます(35.8%)
・やる気が出ない理由など、子どもの話をよく聞くようにしている(28.4%)
・子どもが目標にしていることを思い出させて励ます(24.7%)
・同じことを頻繁に言わないようにしている(23.5%)
・父親、母親で伝える内容を分けるなど、家族のなかで役割分担している(11.1%)
子どものやる気をアップさせる方法
それでは、いつものやる気アップの方法に工夫を加えて、「勉強」や「身の回りのこと」を例にお子さまをやる気にさせる「やる気アップ術」をご紹介します。
- 小さな目標を設定してやる気を継続させる
目標を設定するときは、達成しやすい小目標も必ずセットで決めるようにしましょう。小目標を決めることで、お子さまも達成の可能性を信じてやる気の向上に繋がります。
【勉強】
大目標:国語のテストで90点を取る
小目標:漢字の練習プリントで満点を取る、教科書の内容を自分の言葉で説明する
【身の回りのこと】
大目標:前の日に学校の準備を済ませておく
小目標:声に出して時間割を確認しながら教科書を入れる、明日着る服を並べておく
- 成長を実感させてやる気にさせる
日々の積み重ねが成果につながるとはいえ、毎日の努力が目に見えて実感できないと、無駄な努力と勘違いして、頑張ることをやめてしまいます。お子さまの努力を目に見える形で示す工夫をして、お子さま自身の自信アップにつなげましょう。
【勉強】
覚えた漢字の数だけ、漢字ノートの表紙にシールを貼る
家で勉強した時間をストップウォッチで測る
【身の回りのこと】
朝、目標の時間に起きられた日はカレンダーに印をつける
- 褒め方を変えてやる気を引き出す
お子さまの成果を「すごい!」とただ褒めるだけでなく、具体的に何がすごいのか、どう頑張っているのかを明らかにしながら褒めるようにしましょう。内容を明確して褒めることで、お子さまの達成度や自己肯定感を高める効果があると言われています。褒める時は、理由を具体的にしながら褒めるようにしましょう。
【勉強】
「自分でロボットの仕組みを考えるなんて、すごいね!」
「今日は昨日よりも3ページも多く計算ドリルをしたんだ!えらい!」
【身の回りのこと】
「今日は昨日より5分早く着替えられたから朝の支度が早く済んだね!えらい!」
今回は、保護者向けのアンケートを基に、お子さまのやる気アップ術をご紹介しました。
新しい環境でストレスを感じやすい今の時期。やる気アップ術をうまく活用して、メリハリのある新生活が送れるといいかもしれません。
また、お子さまのやる気が下がる理由を理解して、我々大人たちも寛大な心で見守っていけるといいですね。
アンケート実施概要
- アンケート方法
アンケートフォームの配信、SNSを活用した選択式調査(複数選択・回答、自由回答あり) - アンケート対象
ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所メンバー会員のかた
ヒューマンアカデミージュニア会員の保護者のかた
一般の保護者のかた - 実施期間
2021年3月5日~12日(8日間) - 調査項目
お子さまのやる気の有無
お子さまのやる気アップのための家庭での取り組み
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