今日から始める!家庭でできるグローバル教育|こども教育総合研究所
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今日から始める!家庭でできるグローバル教育

2019/09/30

1970年代、地球環境が人類的課題だという意識が生まれたことなどから、グローバル化という言葉が広く使われるようになりました。外国語を教育に取り入れる「グローバル教育」が始まったのもその頃です。あれから約50年、「グローバル教育」は時代に合わせて変わってきました。ここでは、最近のグローバル教育についての説明と、家庭で実践できるグローバル教育について紹介します。


グローバル教育とは何か

グローバル教育とは、単なる英語教育とは異なります。日本では、英語教育という言葉が昭和になってから使われ始めました。英語教育は英語と母語との比較を通じて、英語を学習することを指します。一方でグローバル教育とは、「地球社会づくり、人権、平和、紛争防止、異文化などのテーマを通して世界規模でものごとを考える発想を学習者に身につけさせる教育方針」のことを言います。かつて主流だった「英語教育」よりも、より広いテーマを持っているのが「グローバル教育」なのです。

現在日本では、国際化が進み、海外の人と接する機会が増えています。2018年と2008年のデータを比較すると、日本に住む外国人の数は1.2倍以上になり、訪日観光客は10年で3.7倍に増えました。コンビニや飲食店のスタッフや、電車などの公共交通機関を利用する観光客など、海外の人を目にする機会がくなっていることを実感しているひとも少なくないのではないでしょうか。

外国人と共存していく中で、これまでの英語能力だけを伸ばすことに特化した英語教育では十分とはいえません。外国の文化や習慣、考え方なども理解していく必要があるため、より広い分野を扱うグローバル教育に注目が集まっています。


これまでの英語教育と、これからの英語教育

これまでの英語教育では、英語を「読む力」「書く力」に重点が置かれていました。そのため、学校のテストでも、英語の長文読解や文法を覚えることに軸足が置かれていました。しかし、実際に英語を使う場面を想定すると、「読む」「書く」だけでなく、「話す」「聞く」といった英語でのコミュニケーション能力が重要になってきます。昨今の日本のように、さまざまな国の人が混在する社会の中で、もしくは世界の公用語ともいえる英語でコミュニケーションできることが、基本能力として求められるのです。

そういった世界情勢を受けて日本の英語教育は、英語で対話できる力を伸ばすための教育へと変わろうとしています。小・中学校の現場では、2018年に英語教育改革がスタートし、文法ルールよりも、「相手に何かを頼みたいときは“Would you”を使う、相手の許可が欲しいときは“Can I”を使う」といった、相手に伝わる英語を身につけることが重視されるようになりました。

また、2020年から実施される新学習指導要領では、これまで小学5・6年で対象だった「外国語活動」が、小学3・4年でも必修化されます。3・4年生の授業では、「話す」「聞く」を通して英語に慣れ親しみ、コミュニケーションの素地を育成することが目標となっています。外国語の授業だけではなく、国語や音楽、図画工作といった他強化との連動も重要視されています。

5・6年生では外国語が教科化され、「話す」「聞く」に加えて「読む」「書く」も扱われます。「英語に親しむ」ことから「英語の基礎的なスキルを育てる」ことが目標となり、英語の成績が評価されるようになります。


やってみよう!グローバル教育

2020年から外国語(英語)が必須化、教科化され、成績の評価がはじまることで、子どもが授業についていけるのか心配になります。幼児や子ども向けの英会話教室や英語で預かる学童保育などが注目されているため、学校での英語教育強化を見据えてそういったサービスを活用する家庭も多いでしょう。しかし、英会話教室などの外部サービスを利用するだけが英語教育、グローバル教育ではありません。家庭でできる英語・グローバル教育を通じて、子どもと一緒にグローバル人材を目指しましょう。

  1. 英語を使った会話の時間を作る
    普段の会話に英語をまぜてみましょう。日本語には多くの外来語があるため、「Hello!」「Perfect!」といった短い英単語などを積極的に取り入れることで、いつもの会話でも、英語に慣れる機会を作ることができます。
  2. 世界の旅番組や特集番組を一緒にみる
    テレビでは毎日のように海外のことを扱う番組が放送されています。もちろんニュースでも、世界各国の出来事が取り上げられています。そういった番組を流し見するのではなく、子どもと「どこの国だろう?」「なんて言ったのかな?」といった疑問を投げかけながら観てみましょう。
  3. 簡単な英会話ゲームを楽しもう
    親子やお友達と一緒に、簡単なゲームに挑戦してみましょう。カードに書かれた英単語をジェスチャーで表現し、他の人に当ててもらうジェスチャーゲームや、英語の歌を誰が一番大きな声で歌えるかを競うゲームなどから始めることで、より英語に親しむことができます。

    例:親子でチャレンジ!英語クイズ
    「Book」の意味ではないものは?
    1:規則、2:予約、3:新聞、4:本

(番外編)親子で短期留学
おうちで手軽にできるものではないですが、環境をガラッと変えて、英語や異文化に触れさせる機会を作りたい方におすすめです。アメリカなどのヨーロッパだけでなく、近年ではフィリピンなどの東南アジアでも、短期留学プログラムが盛んになっているため、家庭ごとに、目指す英語レベルや予算に応じて渡航先が選べるのも魅力的です。

「世界規模でものごとを考える発想を学習者に身につけさせる教育」と聞くと、グローバル教育は壮大で難しいものだと思ってしまいますが、あまり身構えることなく、子どもが英語や海外のことを学びたいと言ったときに、自発的に取り組めるようになるための土台を、子どもと一緒に作っていくことが何よりも大切なのではないでしょうか。

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